H:学生パパママが増えることのプラス面を考えると、主に3つあると思います。まずやっぱり、子どもがいると人生の見方が変わって、自分だけでなく、子どもたちの未来をよくするために、社会全体がよくなってほしいという視点を、経験者個人が持てる。
さらに、政府が共働き家庭を増やそうと言っている時代の中で、学生の頃から結婚していることが一般に認められるようになることで、企業側も、当然フレキシブルな対応を増やしてくると思う。
もうひとつは、社会へのインパクト。キャリアを積んでから結婚となると、どうしても高齢結婚になりがちで、結果不妊で悩んでいる方が多いと聞きます。学生のうちに結婚・出産を経てキャリアを積む人が増えれば、新しい選択肢になるのではないかと。
毛利優子:私は、あえて学生結婚・出産を選べとは言いませんが、人生って何が起こるかわからないので、何があっても対応できるような力を身に着けることは大事だと思うんです。介護と違って、育児はある程度終わりが見える分計画も立てやすいし、一時的にはキャリアを諦めないといけないように見えるけど、長期的にみれば、いろいろな可能性が広がると思います。
◇ ◇ ◇
いかがだったでしょうか。前回の記事で語ったように、私も大学在学中に出産を経験した身ですが、当時は周囲からの批判が怖く、また思うように就活できなかった劣等感ゆえに、出産したことをなかなか打ち明けられない日々を過ごしました。
しかし、時代は確実に進んでいます。自らの道を開拓しようとする彼ら・彼女らの姿に、私は大きな希望を感じました。
もちろん、結婚や出産などの選択やタイミングは人それぞれですし、自身の意志や努力だけでコントロールできるものでもありません。ただ、「ライフイベントの前倒し=キャリアの諦め」という従来の”当たり前”が必ずしも正しくないことを、今回の皆さんが教えてくれました。
多様な価値観や働き方を、個々人が自由に選択できるようになるためにも、それを支える企業や社会の側の「無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)」をなくし、柔軟性を培っていくべきだと痛感しました。
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