これが真実!日々歩けば「医者要らず」になる 薬漬けの人に教えたい「健康のキホン」

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そしてもうひとつの大きな原因が、車社会になって歩かなくなったこと。暑さが厳しいうえ、タクシー料金が安いため、子どもの頃から足代わりにタクシーを使う人が多い、という話も聞きます。食事と運動が寿命が短くなったことと無関係ではないのではないでしょうか。

未来を変える「歩き方」

現代で増えているさまざまな病気の背景には、現代人が歩かなくなったということがある。私はそう確信しています。

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逆に言えば、歩けば、それらの病気になるリスクを下げられます。病気を予防できれば、当然、寿命も長くなるでしょう。また、歩くだけで「幸せホルモン」のセロトニンが増えるということは、心の健康にもつながります。さらに、歩けば血流が良くなり、脳内の酸素が増えるため、頭の回転も速くなります。「歩く=手足を動かす」ことで脳が刺激され、脳内の神経細胞のネットワークも活性化されます。

つまり、歩くことは、体にも、心にも、頭にも良いということです。

では最後に、おすすめの「歩き方」を紹介しましょう。「まちをフィットネスセンターにする」。これが、私が勧める歩き方です。

歩くことが健康にいいとは知っていても、できない、続かないという人は多いはず。しかし、毎日歩くことが大事だけれど、何も、特別なウォーキングを毎日しましょうということではありません。毎日の生活の中に、「歩き」を組み込んでみるといいということです。

・降りるべき駅の一駅手前で降りて、歩く
・電車の乗り換えでは、あえてたくさん歩けるルートを選ぶ
・買い物は、ちょっと遠いスーパーや商店街に行く
・フロアの移動は階段で
・雨の日は地下街を歩く

そんな風に、日常をフィットネスセンターに変えるオプションをたくさん持っておくと、楽しみながら歩くことができるでしょう。

あなたの生活のなかには、「歩き」がちゃんと組み込まれていますか。これを機に見直してみてはどうでしょうか。

長尾 和宏 医師、長尾クリニック院長

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1958年香川県生まれ。1984年東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。1995年長尾クリニック開業。医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長。医学博士、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本内科学会認定医、日本在宅医学会専門医、労働衛生コンサルタント。日本ホスピス在宅ケア研究会理事、日本慢性期医療協会理事、日本尊厳死協会副理事長、全国在宅療養支援診療所連絡会理事、エンドオブライフ・ケア協会理事。関西国際大学客員教授、東京医科大学客員教授(高齢総合医学講座)(

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