東大推薦入試の「合格実績」は誰の手柄なのか AO義塾・報道の矛盾の真相があきらかに
そもそもAO入試対策塾にできることは限られている
AO義塾という塾が、東大推薦入試で14名の合格者を出したことがマスコミの注目を浴びたが、数字を精査してみると、むしろ「AO義塾の東大推薦入試対策講座に効果があるとはいえない」ということを「『東大推薦入試が塾に攻略された』は誤解だ」(3月26日配信)で指摘した。
塾業界には合格実績表示に関するガイドラインが存在するが、AO義塾の代表の斎木陽平氏は、その存在自体を知らなかったと私に告白した。ということは、東大推薦入試だけでなく、過去の慶應大学をはじめとするAO入試での実績もガイドラインには沿っていなかった疑いがある。
そもそも推薦入試やAO入試の合格実績の取り扱いは難しい。たとえばAO義塾に先駆けてオープンしたAO入試対策専門塾の「洋々」では、一切の合格実績を発表していない。その理由を洋々の江口輝亨氏は次のように説明する。
「AO入試や推薦入試というのは料理コンテストに例えられると思います。受験生が18年間という半生の中で得たものが、それぞれの冷蔵庫の中に素材としてすでにあって、それを使ってできるだけおいしい料理(その大学のその学部にとって)を作ってみてということだと思うのです。
素材が良ければおいしい料理ができる可能性は確かに高いですが、素材だけでは料理の味は決まりません。その素材を活かしながら、どのようなメニューを作るか、どのようなレシピで作るか、どのように盛り付けるかを一緒に考えることととらえています。
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