「幸せトレーニング」を実践してわかったこと 工学博士とお坊さんの「特別コラボ」大公開

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通常のワークでは、子どもの頃に本当に好きだったことや成功体験を3つ書き、それを3人のチームでシェアしたのちに劇にして披露する、というトレーニングをして、やってみよう因子を強化する。

自分の目標をカードに書き2人でシェア。そして、相手の長所や目標についての感想を別カードに書き、それもシェア。短いワークでも深い話ができる

実際に、私も隣の席の人とシェアしてみた。最初は恥ずかしい気持ちがあったが、夢を聞いてもらい、共感してもらうと、「間違っていないのだ」という自信がでてくる。

そして、「やってみよう!」という気持ちが確かに強まる。さらに、自分の長所は何かをシェアすると、自己肯定を感じることができ、相手に対してもとてもよい印象を持つことができた。ワークを通して自分の気持ちと向き合うことができる。やってみよう因子が少し強化されたのかもしれない。

ネガティブとポジティブの黄金比

最後に、「ポジティブ思考主義」にアレルギーがある人へ。心理学ではネガティブとポジティブの黄金比は1:3と言われている。これは心理学者のバーバラ・フレデリクソンが提唱しているもの。もしパイロットがネガティブ思考ゼロだったら、「天候が悪いけど大丈夫だろう!」と、楽観的に離陸してしまい、大変なことになる。ネガティブとは自分の中の批判家であり、「これでいいだろうか?」という慎重な判断を下すことができる重要な思考。ネガティブがあってこそポジティブが生きてくる。

幸福学のトレーニングは心に作用する。そのため、医師の意見も取り入れながらプログラミングしている。だが、それだけ効果が期待できるということである。これを機会に幸福力を鍛えてみてはどうだろうか。

島田 ゆかり ライター

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しまだゆかり / yukari shimada

月刊誌・企業広報誌などの編集を経て、フリーランスのライターに。寺社好きが高じ、お寺業界の様々なトレンド、裏事情などを取材、発信。ほか、女性のライフスタイルなどの企画・編集・執筆も手がける。

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