エリクソンに44歳CEOが誕生、世界最大の通信機器メーカーの“総合力”に迫る
来年1月、世界最大の通信インフラ会社、エリクソンに若きCEOが誕生する。石油メジャーの英BP会長に転進するスヴァンベリ現CEOの後を継ぐ彼の名は、ハンス・ヴェストベリ現CFO、44歳。スウェーデン・ストックホルム市内で行われた6月25日の就任会見当日。不振のソニー・エリクソンの持ち株売却に関するうわさをぶつけると、「うわさはうわさ。あまり気にしてないよ」とやんわり否定した。
辣腕で鳴らしたスヴァンベリ氏からの今回の交代には、若いリーダーの下で進化する通信技術やIP化に対応し、世界各地での競争に勝ち抜いていくという、エリクソンの強い決意が込められているようだ。
インフラ2本柱が安定 成長途上のマルチメディア
そのエリクソンから、7月下旬、再び大きなニュースが飛び込んできた。破産保護申請中のノーテルネットワークス(カナダ)から北米携帯電話事業を11・3億ドル(約1100億円)で買収することが明らかになったのだ。ノーテルは高い技術力で知られる名門企業。業界では大きな話題になった。
通信インフラ業界は現在、トップのエリクソンを、フィンランドのノキア・シーメンス、仏アルカテル・ルーセントの名門連合、中国の成長株ファーウエイなどが激しく追う構図となっている。通信というとサービスを提供する通信事業者(キャリア)が注目されがちだが、黒子といえるインフラ企業もまた、熾烈な競争を繰り広げている。
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