エリクソンに44歳CEOが誕生、世界最大の通信機器メーカーの“総合力”に迫る
エリクソンの2008年12月期売上高は2089億クローネ。1クローネ=13円換算で2兆7157億円に達する。主要事業は三つ。携帯キャリアなどに基地局やコアネットワーク製品を提供するネットワークス事業、工事やコンサル、通信キャリアからネットワーク関連業務を請け負うプロフェッショナルサービス事業、そしてIPTV(ネット経由の映像配信)トータルソリューションなどを展開するマルチメディア事業である。
ネットワークス事業は売り上げの約7割を占める本業中の本業だが、価格競争がきつい。同事業の08年営業利益率は8%だったが、07年の13%からは大きく後退している。
プロフェッショナルサービス事業の08年営業利益率は13%と高く、09年6月中間期も売り上げで28%増、営業利益率も15%と好調だ。海外の通信事業者の中には、新規エリアに進出する際にマーケティングに集中したり、ネットワークにかかわる運営コストを削減するため、インフラの運営・保守をアウトソーシングする需要が高まっており、それが追い風となっている。09年度に入ってからは米スプリントや中東のザインなどと契約を締結した。
ネットワークス事業が通信事業者の設備投資を、プロフェッショナルサービスが同じく通信事業者の運営費をターゲットとしたビジネスとして地歩を築いているのに対し、まだ緒に就いたばかりなのがマルチメディア事業だ。08年度は営業利益率でマイナス1%とまだ収益化には至っていないが、部門売上高は13%増と順調に伸ばしている。プレーヤーがある程度集約されたインフラ事業と違って新しい分野だけに、多くの企業がライバルとなる難しさはあるが、エリクソンでは同事業を今後の成長戦略として位置づけている。
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