リムジンは古い?勃興する「新しい女子会」 生まれては消える女子会の「最新トレンド」

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2つ目は、「若者のキラキラ演出疲れ」である。ピクニック女子会や陶芸女子会のインタビューから、最近の若者は、リムジン女子会やラブホテル女子会などのお金がかかり、いかにもキラキラした自分を演出することに疲れてきていると感じた。

またお金をかけた華やかさよりも、そこまでお金をかけないカジュアルなおしゃれさのほうがイケてると思われるようになってきている。そしていかにもなキラキラ系女子より、ピクニック女子会や陶芸女子会をする女子のほうが家庭的でフレンドリーな印象があり、周りからの好感度が高く、男子ウケも狙える。

3つ目は、「プチ自分らしさアピール」である。今の若者は空気を読み、周りと同じことをしがちだと言われる。しかし周りと同じ中でも、ちょっとした自分らしさは出したいというニーズがあると感じた。

女子会ルームパーティーであれば100着ある中から自分が好きなドレスを選び、部屋を飾り付けできるという点、ピクニック女子会であれば、飾り付けやドレスコードを自分たちならではのものにできるという点、陶芸女子会であれば陶芸をやる自分という個性をアピールできる点がそのニーズを満たしていると考える。

以上のことから「新しい女子会」が増えてきているといえる。

原田の総評:ブームをいかにして定着させるか

現場研究員による「新しい女子会」レポートはいかがでしたでしょうか?

リムジン女子会、ラブホ女子会、カープ女子、ゴルフ女子、プロレス女子、歴女、刀女子……。この数年、メディアを通して、キラキラした女子会や、新しいことに飛び付く女子たちがたいへんクローズアップされてきました。今回の「新しい女子会」もまさにその一連の流れに沿ったものだと思います。

ただし、数年前に艶やかなプロ女子ゴルファーたちによって生まれたゴルフ女子ブームは、今は下火になってしまっています。廃れてしまった業界・サービス・商品や新しいモノは、まずはブームを起こすことはマーケティングの王道です。その際に、エネルギッシュな「女子」をターゲットにしていくのは基本的には正しいと思います。しかし、こうした「女子会」や「ニュータイプ女子」を単なるブームに終わらせず、定番化していくことが、今後、さまざまな業界で必要なポイントとなっていくのではないでしょうか。

原田 曜平 マーケティングアナリスト

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はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』などがある。YouTubeはこちら

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