寒気が強まり空気が乾燥すると、のどや皮膚の「炎症」が起こりやすくなります。これらは比較的症状のわかりやすい炎症ですが、実は人の体の内部には、目に見えない炎症も点在しています。
これらの中には、やがてがんにつながっていくおそれがあるものもあり、「慢性炎症」としてすでに社会問題化しつつあります。いつの世もビジネスパーソンを悩ませる、原因不明の不調やイライラ。これらも体内の慢性炎症の一つかもしれないのです。
これらの慢性炎症を改善するカギを、人体に存在する「テロメア」が握っていることが、昨今の研究で明らかになってきました。
長寿者はテロメアが”長い”傾向に
テロメアといえば、2009年のノーベル医学・生理学賞の受賞テーマとなったことをご記憶の方も多いでしょう。テロメアは人体内の染色体の末端部にある、遺伝情報を司る部分。そこでは「テロメラーゼ」という酵素がテロメアの伸長を促しています。
このテロメアの「長短」が寿命の「長短」をも握るカギであるとされ、近年世界中で研究が行われているのです。
テロメアは加齢とともに短くなっていく傾向がありますが、長寿者やその子孫を調べると、同じ年齢の人と比較してテロメアが長く、一方で慢性炎症の程度が低く、細胞が老化しにくい状態になっているため、がんの罹患リスクも低いことがわかってきました。
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