サプリ過剰摂取は「死亡率」を引き上げていた 青魚の栄養素もサプリだと、ほぼ効果なし
いまやビタミン、ミネラルなどのサプリメントは健康補助食品としてすっかり定着し、「グルコサミン」「プラセンタ」などの大ヒット商品も登場。まさに百花繚乱の様相を呈しています。
「不足している栄養素はサプリで補っておけばOK!」と考え、実践している方も多いと思いますが、本当に「OK」と言えるのでしょうか。いくつかの論文を紐解きながら、検証してみたいと思います。
飲んでも飲まなくても「変化ナシ」の結果も多い
青魚などに含まれることで知られるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)も、サプリの定番となった栄養素のひとつ。これらは、多価不飽和脂肪酸、あるいはオメガ3脂肪酸とも呼ばれ、血液をサラサラにする(血栓症を予防する)作用や、老化や発がんの原因となる過酸化反応を抑える作用があります。
これらサプリメントの効能については、世界中で多くの学術調査が行われてきましたが、米国のある研究者が、その中から厳選した10編の論文について比較・分析をしたのものがあります(参考文献 :Clin Cardiol 2009;32:365-72.)。その論文というのは、いずれもボランティアを公平に2群に分け、一方にEPAやDHAが配合されたサプリメントを飲んでもらい、他方は飲まないという約束をした上で、1年以上追跡を行ったという内容でした。
その結果、10の調査のうち9つまでが、両群にまったく差がなかったと報じたものだったそうです。つまりEPAやDHAのサプリメントは、飲んでも飲まなくても、健康状態に変わりがない、ということです。
それどころか、外国の医学専門誌に発表された論文によると、EPAを医薬品として大量に摂取すると、死亡率が少し高くなることもわかりました(参考文献:Lancet 2007;369:1090-98.)。
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