テロメアの長短は遺伝や加齢だけでなく、生活習慣にも左右されます。暴飲暴食や喫煙、野菜不足などが慢性化すれば、体内の至る所が炎症を起こし、細胞を傷つけてしまうので、若年層でもテロメアをどんどん短くしてしまう可能性が高いのです。
ただ逆にいえば、今の生活習慣を見直すことで、テロメアをムダにすり減らさないよう対策を取ることもできそうです。まだまだ20代、30代と若いのに風邪をひきやすい、ケガが治りにくい……という方は特に要注意。がんや糖尿病、骨粗しょう症などを引き起こしてしまう前に、できることから生活習慣を改善してみましょう。
体内の細胞の大半は分裂回数に限りがあると言われており、テロメアもそれに併せて短くなるようです。将来の長寿のためにも、今を快適に過ごすためにも、働き盛りの時期からテロメアの「節約」を心掛け、体内の慢性炎症を少なくしておきたいものですね。
「地中海型ダイエット」に注目が集まっている
米ブリガム・アンド・ウィミンズ病院とハーバード大学の研究報告によると、「地中海型ダイエット」と呼ばれる食事法(野菜、果物、豆類、未精製の穀類、オリーブ油、ほどほどの魚と飲酒を中心に摂取する)を実施している女性は、そうでない女性と比べてテロメアが長く、慢性疾患の罹患リスクや死亡率も低いということがわかっています。
これは女性のみの実験ですし、個々の食材とテロメアの長短の関連は解明されていません。ただ、炎症を抑える作用、抗酸化作用などを期待できる、野菜やオリーブ油、魚の栄養素が影響しているものだと考えられています。
今年に入ってからの最新研究報告では、地中海食で主に使われるジャガイモ、カボチャ、トマト、ナスなどの野菜は、茹でるよりもオリーブ油で炒めた方が、抗酸化力が上昇するという結果が出ています(スペイン・グラナダ大学)。
なじみのある野菜も、調理法にひと工夫加えたものをチョイスし、慢性炎症対策に使ってみてください!
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