IT教育に懸ける、小さな公立小学校の挑戦 多摩市立愛和小学校はここまでやる!

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一昨年は学校合併に伴い生徒数が増えた一方で、それまでアプリ利用とともにiPadを貸してくださっていた企業がアプリ開発を止めてしまったので、新たにタブレットを借りる必要がありました。渡りに船で、その時に別の企業がWindowsを貸してくれました。

目指しているのは、アナログではできない授業

松田孝校長。「どの教科が」ではなく、あらゆる場面でタブレットを活用してほしいと話す

――タブレットを用いることで、最も効果的に授業ができるのはどの教科ですか。

私が思っているのは、先生方にはタブレットの機能を最大限に生かした授業をして、教科の狙いに迫る授業を作ってほしいということです。タブレットがどの教科に合う合わないという議論よりも、先生たちには従来のアナログではできない授業をたくさん作ってほしいと考えています。

プログラミング学習や音楽のデジタル教材、図工の3D表現など、特に芸術系の教科ではタブレットが必要になりますが、どんどん積極的に使っていってほしいですね。タブレットを使うことによって、新しい表現ができると思うからです。また、授業以外にも、クラスごとの朝の会では子どもたちの体調をタブレットを用いて記入してもらうようにしたりと、生活指導の場でも活用できています。

――具体的に、プログラミング学習はどのように行っていますか。

現在、3年生から6年生の総合的な学習の時間で、年15時間実施しています。1、2年生では、教科外(教育課程外)でビジュアルプログラミング言語である「VISCUIT(ビスケット)」を利用しようと思っています。

ビジュアルプログラミング言語とはプログラミングをテキストで行うのではなく、ブロックなどの視覚表現を用いて行うということですが、 その分野ではスクラッチが有名ですね。でも、「VISCUIT」ではそもそもコンピュータとはどのようなものかといったことも学べます。プログラミングを通じて、子どもたちに物事を論理立てて考える力を育ててあげたい、順番に丁寧に説明できる力をつけさせてあげたいと考えています。

また、よくテクノロジーとアナログの融合といったことを言われますが、テクノロジーを突き詰めていくと、リアルに行きつくと思っています。

たとえば、レゴのマインドストームというロボットを使用するプログラミングのコンテンツがありますが、子どもたちはタブレット上で「正しい」数値を入れるとそのロボットがうまく動くと信じています。

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