IT教育に懸ける、小さな公立小学校の挑戦 多摩市立愛和小学校はここまでやる!

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それと同時に、ICTを用いて授業で子どもたちと対峙しているため、その使い方や効果、授業の中で起こったエピソードによって説得力も持って語れることが大きいですね。セミナーに参加した他校の先生に訴える力が大きかったと感じています。本校の教員が参加者の先生に説明するということも、よい緊張感を持てたのではないでしょうか。

ICTは校務の効率化に役立つか?

――学校の先生方は授業だけでなく、それ以外の作業、つまり指導要録の作成や小テストの採点などの校務に追われていることも多いと聞きます。その校務の効率化には役立ちますか。

当校では、多摩市が構築した校務支援システムを利用しています。極力ペーパーレスで行い、必要なことについては教員同士で回覧をまわしています。

ただ、教員のアイデンティティは依然として「教えること」に重きが置かれているように感じます。そのため、ドリルを自身で作成して印刷し、子どもたちに配布し記入させ、回収して放課後に丸つけをすることにとても時間をかけている教員もいます。

ただ、これからの時代はICTでかなりその工数が省け、教員たちの負担も軽減されるのではと考えています。変わることに時間がかかりそうに見えますが、時代ががらっと変わって、たとえばBYOD(Bring Your Own Device、私的デバイスの活用)の時代にぽんとなってしまえば、一気に変わるのではないでしょうか。また、2020年の大学入試改革もICT利用を促進していると考えています。

――ICTを教育に導入するにあたって誰がイニシアチブをとるべきなのでしょうか。

校長が本気になれば、ICT導入、活用はできると思います。日本の教育は海外から見たら評価がとても高い。教科教育は完成度が高く、PISAの調査でも、理数系は上位国の常連となっています。

一方で、教員の中には利用時にトラブルがあるようなICTを使うことに必要性を感じていない人がまだ多いことも事実です。私が話したいことは、ICTは人間の処理能力の50億倍の処理能力を持っていると言われているので、それを使わない手はないということです。自動車の空間移動力は人間の20倍、飛行機のそれは100倍と言われています。50億倍もの処理能力が手元にあれば、利用した方がいいですよね。日本の教科教育は確かにすばらしいと思います。

ただ、よいと言われていることが、新しい方法を導入する際には逆にネックになってしまっているように見えます。校長がそれを乗り越えるだけのポリシーを持っているかどうかが問われます。

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