日本人は「インドに抜かれる必然」を直視せよ 理工系マネジメント人材は、すでに奪い合い

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ソフトバンク孫正義氏の後継者となるニケシュ・アローラ氏も、IIT出身のインド人だ(撮影:尾形文繁)

グーグル、マイクロソフト、ソフトバンク……。これら世界トップレベルのIT企業の共通点は何か? そう問われて答えはいくつかあるのだろうが、経営トップがインド人であるという点は、昨今もっぱら注目が集まっているところではなかろうか。

実はほかにもアドビやサン・マイクロシステムズ、モトローラ、あるいはIT産業のみならずシティ・グループ、スタンダード&プアーズ、ドイツ銀行、マスターカードなどの金融産業、そしてペプシなどの一般消費財なども含め、巨大企業の経営トップを務めるインド人は非常に多い。

量と質の両面で世界トップレベル

大企業だけではない。米国でスタートアップを立ち上げる起業家数を見てみても、いまやインド人がダントツに多いのである。米シリコンバレーで外国人が立ち上げた企業のうち、実に33.2%がインド人起業家によるものであり、2位の中国、英国(各5.4%)とは圧倒的な差がある(2012年、スタンフォード大のビベック・ワドワ教授調査)。

経営職のみならず、インド人には米国をはじめグローバルに活躍するソフトウェアプログラマーや科学者、医師などが多いことも有名である。

なぜここまで、人材輩出国としてインドが際立つのだろう? もちろん世界2位で、12億人超の膨大な人口を有している点は見逃せない。さらに国連人口予測によると、7年後の2022年にインドの人口は中国のそれを超え、世界一となる見通しだ。

しかし「規模」だけに注目されがちなインドの人材であるが、むしろ質的に世界トップレベルに優秀であることこそ特質すべきだろう。どんな点でトップかといえば、ずばり英語、そして理工系教育、この2点だ。

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