日本は経営学の最先端から取り残されている ビジネスパーソンは現実を直視せよ

拡大
縮小

「マネジメントの伝道師」ピーター・ドラッカー、「競争戦略」のマイケル・ポーター、マーケティングのフィリップ・コトラー。「経営学」と聞くとこのような巨人たちの面々を思い浮かべるかもしれない。

一方、日本で触れることのできる経営学は、世界で展開されているもののごく一部にすぎない。そして、決して「新しくない」。実は今、グローバルでは経営学が大きな変貌を遂げている。

社会学や心理学的アプローチがブーム

8月中旬、カナダ・バンクーバー。世界最大の経営学会、アカデミー・オブ・マネジメントの年次総会が開かれた。

週刊東洋経済9月12日号(7日発売)の特集は『たった1日でわかる経営学の教科書』です。ドラッカー、ポーターはもう古い!?最新の経営学の知見を11講座で紹介しています。上の画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

今年のテーマは「Opening Governance(オープン・ガバナンス)」。ビックデータ、クラウド時代のガバナンスといった意味合いだ。さまざまな組織の効率性、創造性を高めるにはどうしたらいいか、情報化時代のリーダーシップのあり方などが議論された。

学会では毎年、さまざまな議論がなされている。「Dare to Care(思いやりと共感の経営学)」「The Informal Economy(インフォーマル経済と経営学)」「The Power of Word(「人の言葉」の持つ力と企業経営)」――。

そのテーマは想像以上に広がっている。経営学は主に「経済学」「認知心理学」「社会学」の3つを理論背景としていると言われており、近年では特に社会学や心理学的アプローチが顕著だ。

次ページ日本からの出席者はわずか
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT