日本は経営学の最先端から取り残されている ビジネスパーソンは現実を直視せよ

「マネジメントの伝道師」ピーター・ドラッカー、「競争戦略」のマイケル・ポーター、マーケティングのフィリップ・コトラー。「経営学」と聞くとこのような巨人たちの面々を思い浮かべるかもしれない。
一方、日本で触れることのできる経営学は、世界で展開されているもののごく一部にすぎない。そして、決して「新しくない」。実は今、グローバルでは経営学が大きな変貌を遂げている。
社会学や心理学的アプローチがブーム
8月中旬、カナダ・バンクーバー。世界最大の経営学会、アカデミー・オブ・マネジメントの年次総会が開かれた。

今年のテーマは「Opening Governance(オープン・ガバナンス)」。ビックデータ、クラウド時代のガバナンスといった意味合いだ。さまざまな組織の効率性、創造性を高めるにはどうしたらいいか、情報化時代のリーダーシップのあり方などが議論された。
学会では毎年、さまざまな議論がなされている。「Dare to Care(思いやりと共感の経営学)」「The Informal Economy(インフォーマル経済と経営学)」「The Power of Word(「人の言葉」の持つ力と企業経営)」――。
そのテーマは想像以上に広がっている。経営学は主に「経済学」「認知心理学」「社会学」の3つを理論背景としていると言われており、近年では特に社会学や心理学的アプローチが顕著だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら