「世界のKitchenから」のマーケティング整合性に学ぶ /それゆけ!モスバーガー /キムタクCMに学ぶ企業戦略《それゆけ!カナモリさん》

 

■フェイスを確保せよ

 マーケティングミックスの定番フレームワークである4Pで考えてみよう。

・Product(製品戦略)
味はもちろんのこと、パッケージにも徹底的にこだわっている。刺繍をモチーフにした、どこか家庭的で、可愛らしいデザインだ。

・Price(価格戦略)
商品の量目とも関連しているが、320ml入りのペットボトルで150円(税別)。量的に少々割高だが、逆にそれが高級感の演出につながり、「手が込んでいる感じ」が伝わってくる。

・Place(流通戦略)
「桃のフルーニュ」の大きなポイントだ。

320ml入りのペットボトルは細身で棚のフェイスがおさえやすい。通常のペットボトル6本分で7本収まるので通常より1フェイス多く置ける。7本も揃っているとなかなか壮観だ。消費者もつい手に取りたくなる。店もそれを狙って、多フェイス設置に協力する。

もう少し大きな視点で考えると、「世界のKitchen」シリーズの多くは「期間限定」や「地域限定」で展開している。「期間限定」は限定感という販促的な効果以上に、過剰生産・過剰在庫を持たないという、バリューチェーン上のメリットは大きい。

また、「地域限定」は一気に全国展開をするのではなく、「市場の反応を見て順次展開する」という飲料においては手堅い戦略の常套だ。期間限定と地域限定を組み合わせ、製品リニューアルを繰り返す。すると、常に新しい商品ということで、コンビニなどの流通チャネルの棚も確保しやすくなる。

・Promotion(コミュニケーション戦略)
棚確保にも小さなところで工夫が見られる。「桃のフルーニュ」はペットボトルに貼られたシールPOPが3種類あり、「おまたせしました」「ますますとろとろ」「とろあまずっぱい」と色違いで展開している。最低でも店頭の棚を3フェース確保するためのだろう。

コンビ二のフェイスを押さえたりするなどの工夫がどうポジショニングと整合するのかと思われた読者もいるかもしれない。だが思い返してほしい。あくまで紅茶や果実、乳飲料などのカテゴリーはメインストリームでないのだ。「美味しい」と主張したところで、コンビ二の店長を納得させるのが難しいことは想像に難くない。当然リスクもある。

それしたダウンサイドのリスクを最小限に抑え、いかに棚を確保するか。徹底的に考え抜かれた戦略であることが、浮かびあがってくる。

環境の変化を的確に捉え、ターゲットとそのニーズをすくい取るポジショニングを固める。そのポジショニングを実現するために、4Pの要素を組み上げる。その一連の整合性こそが力の源泉となるのである。

 

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