「世界のKitchenから」のマーケティング整合性に学ぶ /それゆけ!モスバーガー /キムタクCMに学ぶ企業戦略《それゆけ!カナモリさん》

 

■3月9日 それゆけ!モスバーガー

 「やっぱり、日本が、一番うまい!」……そんなキャッチコピーを引っ提げてやってくるのが、モスバーガー「とびきりハンバーグサンド」の第二弾だ。それだけではない。モスでは信じられない100円台メニューや、ガッツリ系のパテ2枚バーガーなどが順次登場するという。モスの狙いはなんだろうか?

国産肉100%と銘打って、約2カ月間で620万食を売り上げ、モスフードサービスの業績回復に大いに貢献した「とびきりハンバーグサンド」の第二弾、「とびきりハンバーグサンド トマト&レタス」と「とびきりハンバーグサンド レタス」が3月24日から発売される。

その商品情報を見た時、筆者は思わず「美味い!」ならぬ、「巧い!」と唸ってしまった。モスファンとはいえ、一般人である身には、その味を試すためには発売日まで待たねばならぬ。しかし、その戦略の巧緻は十分味わえたのだ。

ごちそうさま!!(マーケティング的な意味で)。

何が巧いのかといえば、その商品の特徴付けだ。前作の具材はパティと刻みキャベツだけ。ソースは王道のトマトデミソースという直球勝負であったが、今回は何とも大胆にレタスが挟まっており、まるでレタスが主役であるかのような風格が漂っている。しかも国産レタス。

パティは変わらず安心の「国産肉100%の牛豚合い挽き」。さらに安心の「国産レタス」がたっぷり。「安心の二段重ね」という周到さだ。

Walkerplusに掲載された記事「主役はレタス!?モス“国産バーガー”第2弾発売!」を見てみよう。

製品発表の記者会見で、生産農家の鈴木さんが、「ウチのレタスは、除草剤も殺菌剤も使っていません。この時期、一番おいしくなるレタスは、歯ごたえも甘みも充分。生のおいしさを味わってください」と、笑顔でコメントしたという。

生産者の顔が見える、安心感の演出。国産へのこだわりと生産者や生産方法へのこだわりは、決してリーダー企業であるマクドナルドには取れない。極めて巧いチャレンジャーの差別化戦略であるといえる。

「除草剤殺虫剤不使用」の農法は、ともすれば作柄の不安定や病害虫の被害と背中合わせのリスクを抱えている。また、大量生産にも向いておらず、標準・均等な品質も完全には保証できない。

圧倒的な「規模の経済」を誇るマクドナルドは、標準化された原材料を低廉に大量に仕入れるバイイングパワーが、一つの力の源泉である。そのため、上記のようなリスクのある原材料は使いにくい。

モスはマクドナルドほど規模が大きくなく、また、従来から自然に近い原材料や食への安心といったこだわりを優先してきたポジショニングが生きてくるのだ。

今回は、消費者には第一弾で「国産肉100%」という安心感を訴求し、その反応を見て「イケる!」と確証してから、第二弾でレタスという新たな具材を用いて安心感を強化するという、念の入ったプロセスを踏んでいる。大胆かつ、手堅い戦略であるといえる。

しかし一方で、従来とは全く異なる戦略も見せている。100円台の「お手頃バーガー」、そしてパテが2枚入ったメガ系を発売するというのだ。これは少し心配だ。モスよ。お前も低価格、メガ路線を行くのか……。

 

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