「世界のKitchenから」のマーケティング整合性に学ぶ /それゆけ!モスバーガー /キムタクCMに学ぶ企業戦略《それゆけ!カナモリさん》

 

■モスよ、大丈夫か……

 まず100円台バーガー。

モスフードサービスの櫻田厚社長は「これは値下げではない」という。

Walkerplusの記事「モスバーガー、100円台の“お手ごろバーガー”を発売」によると、あくまで新価格レンジの一つです。中高生をターゲットにした“小腹メニュー”として提供していきたいとコメントしている。

そして、通常のハンバーガーパテに比べ、重量を3/4程度にした専用パテを使っている以外は、バンズや具材など通常と同じもの使用するというから、実のところは「量目調整」であるわけだ。この展開、おそらく、従来モスに足を運ばなかった若年層を取り込む施策だろう。

可処分所得が少ない若年層にはモスバーガーの価格はハードルが高い。しかし、品質を下げて安価にすれば、既存顧客層の離反を招く。そのバランスを取る解が「量目調整」であったわけだ。なんとも絶妙なさじ加減の戦略ではないか。

もう一方の「W(ダブル)モスバーガー」(400円)はどうだろう。

ともすれば、マクドナルドのメガ戦略の模倣とも映る展開だ。モスもついにその路線に進出し、ガッツリ系愛好家を呼び込もうとする戦略かとも思えるが、多分そうではない。

モスバーガーのメニューはボリューム的に見ると、やはり「お上品」だといえるだろう。パテが90グラムと、モスメニューの中では重量級だった、第一弾の「とびきりハンバーグサンド」も、実際に食べてみるとボリュームは感じられない。

モスバーガーの既存顧客の中でも、ボリュームを求める層やメガ好きになった層が一定数存在するとしたら、既存メニューだけではマクドナルドをはじめとした他店への流出を招くことになる。その意味からすると、「Wモスバーガー」は既存顧客の流出を防止する「守りのメニュー」だと考えられる。

「とびきりハンバーグサンド」の第一弾で、味と国産材料の安心感で新たな顧客を呼び込み、第二弾でさらなる呼び込みと、既存顧客の定着化を図る。100円台のメニューで若年層を取り込み、ボリュームメニューで顧客流出を防止する。

自社のマーケティング課題を、差別化要素を活かしながら、確実に解決するモスバーガーに、チャレンジャーとしての戦い方のお手本を見た。

 

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