60. 1793年には岩橋善兵衛が「窺天鏡」と名付けた屈折望遠鏡を作製。以後優れた性能の望遠鏡を作り続け、諸大名に用いられたほか伊能忠敬の日本地図作成時に活躍
61. 神戸市立博物館、神戸商船大学附属博物館には18世紀に国内で作られた望遠鏡が収蔵されている。これは長崎の森仁左衛門が将軍徳川吉宗に献上したもの
62. 幕末期には反射望遠鏡が輸入され、鉄砲鍛冶の国友一貫斎が初めて国産化した
63. 19世紀後半には、それまで金属だった反射鏡にガラスが採用される
64. 1917年、巨大望遠鏡の先駆けとして作られたのが、米国ウィルソン山天文台にある口径100インチ(2.5メートル)のフッカー望遠鏡。以後30年近く世界最大の望遠鏡として君臨した
65. 1929年に天文学者エドウィン・ハッブルはフッカー望遠鏡で宇宙の膨張を示す証拠を得た
66. フッカー望遠鏡はスピルバーグ製作総指揮の映画『ディープ・インパクト』冒頭に登場している
67. 米国パロマ天文台が所有するヘール望遠鏡は口径5.08メートル。1948年完成以来30年も世界最大の座にあった
68. ハワイ島マウナケア山標高4200メートルの頂上付近には合計13基の巨大望遠鏡が設置されている
69. そのひとつ、日本の国立天文台が運用する、すばる望遠鏡は1998年完成当時、1枚鏡として世界最大の直径8.2メートルの口径をもつ反射望遠鏡
120億光年離れた銀河って?
70. すばる望遠鏡は120億光年離れた銀河の観測が可能
71. すばるの隣には米国カリフォルニア大学の2台のケック望遠鏡が並ぶ。36枚の分割鏡からなる主鏡は口径10メートル
72. 2009年に世界最大の記録を塗り替えたのはラ・パルマ島のカナリア大天体望遠鏡。分割鏡は直径10.4メートル
73. 屈折望遠鏡としては1895年に完成した米ヤーキス天文台の口径101.6センチメートルが世界最大
74. 現在、国内で最大の天体望遠鏡は、兵庫県の西はりま天文台にある口径2メートルの「なゆた」
75. なゆたは一般公開用としては世界最大の反射式天体望遠鏡でもある
76. 国内では群馬県立ぐんま天文台、石垣島天文台でも口径1メートルを超える天体望遠鏡で星空を観望できる
77. 日本には400を超える公開天文台があり、定期的に観望会が催され望遠鏡での天体観測を体験できる
78. 東日本大震災で倒壊した福島県星の村天文台の口径65センチメートル反射望遠鏡が2012年に復活。新しい愛称は「絆」
79. 初めて天体の光を望遠鏡に入れることを「ファーストライト」という
80. 英語で望遠鏡は「telescope」。「tele」は「遠く」、「scope」は「見る」を意味するギリシャ語が語源
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