したがって、K.T.さんが自分自身のコミュニケーション力に自信がないとお考えであれば、無理にスムーズなコミュニケーションの「スタイルだけ」取り入れたり、そういった人の形だけをまねする必要はありません。
それよりも遠回りのようですが、業務に関連する知識を固めて、「自分個人」には自信はなくとも自分のやっている「業務の知識」には自信を持てる状態を作り上げてはいかがでしょうか。
なにを隠そう私自身もそういったやり方で、自分自身のコミュニケーション力を磨いてきた歴史があります。リアルな経験を積み重ねることで言葉に重みを持たせる方法で、口数が少なかったり、つたないしゃべり方であったりしても、相手の興味や注意を引くということは可能です。
仕事は量より質
そしてビジネスにおいては、口数の多いお調子者のような人間よりも、本質をついたことをズバリ言える寡黙な人間のほうが信用される傾向にあるということも覚えておきましょう。まさに量より質なのです。
昔、とある上場企業で財務担当の役員をしているときに、金融機関の人で「ごあいさつ」と称し、うちには直接、関係のないひな形のようなプレゼンを繰り返したり、今朝の日経新聞の記事をほぼそのままリピートされる人が複数おりました。確かにしゃべりはうまいのですが、その「ごあいさつ」の時間から生まれる価値は正直、ゼロでしかなく、決してコミュニケーション力があるとは言えないわけです。
そうではなく、K.T.さんとしては質のあるコミュニケーション力のある人間になるためには、自分が得意でないスムーズなコミュニケーションの形だけ取り繕うとするのではなく、より本質的な会話の内容を磨くべく、同期の誰よりも業務知識を増やすべきです。
会社の研修以上のことを自ら率先してやる、入社後、数年かけて取ればいいと社内でされている関連資格を入社後1年で全部取るなど、自分の仕事に対する自信が深まることに注力してみましょう。
一見、コミュニケーション力などとは関係が薄いように思えるかもしれませんが、コミュニケーション力や人間力の本質が経験や知識である以上は、急がば回れです。
自分ができないことを素直に認識している人こそ、対応によってはものすごく強くなれるものです。K.T.さんが仕事に対して自信をつけ、将来、今の悩みを思い出して笑ってしまうような立派な社会人として成長されることを応援しております。頑張りましょう。
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