日本が世界に劣る「中高教育に潜む弱点」

30~40代の親は「逃げ切れない」と認識せよ

情報化の影響は社会で求められるスキルにも変化を及ぼす
物心のついた頃からインターネットやパソコンが普及していた世代を「デジタルネイティブ世代」と言う。日本では1990年代半ば以降の生まれを指す。そんなデジタルネイティブな子どもたちを囲む情報化の波は、まだまだ勢いが衰える気配はなく、公教育もその波に合わせて変わっていかなければならない。情報化の影響を受けて現代社会で求められるスキルも変化してきた。
では、これからの社会にはどのようなスキルが求められるのか、またそれを子どもに身につけさせるうえでの公教育の立場とはどのようなものか。本連載は算数サポートサービスの「RISU」を立ち上げた筆者が、そんなテーマに迫っていく。第1回は「公教育に求められること」をテーマに東京大学大学院 情報学環 学際情報学府の山内祐平教授との対談インタビューをお届けする。

テクノロジーの影響は学校外で広がる

加藤エルテス 聡志(以下、加藤):これからの学習環境は、どういうものがどのくらいのタイムスパンで一般的になっていくのでしょうか。

山内 祐平(以下、山内):そうですね、テクノロジーが教育の現場にどれくらいのスピードで導入されるのかは私の関心事でもあります。デバイスの導入だけではなく、制度的・組織的な問題を解決する必要がありますので、ハードルが高く時間がかかるでしょう。授業を変えるためには、最終的には教員養成から変えなきゃいけませんから。

加藤:確かに、おカネをかければ環境は変えられますが、教員のレベルアップには時間がかかりそうですね。

山内:そうなんです。学校から一歩出ると、タブレットやスマートフォンも普及して、誰でも自由に学べる世界が広がっているので、必然的に学校外の環境の方がICTによる学習が子ども達に浸透するスピードは早いと思います。

加藤:確かに子どもがスマートフォンを持っている姿は、もうごく普通に見かけますよね。山内さんは大学でオンライン講座の仕事もされているとお聞きしています。

山内:東京大学が提供しているMOOC(大規模オープンオンライン講座)というサービスの担当をしているですが、2013年から今現在6コース提供する中で、累計受講登録者数は20万人を超え、世界180カ国以上から学習者が来ているような状況です。このように価格が無料で自由に学べるコンテンツがあり、デバイスが普及をしている現代では、そのよい作用が大学外の子どもたちにも及ぶことは大いに考えられることです。MOOCで大学レベルの講座を受講する中高生は世界的に相当数います。

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