価格と燃費を両立、HVには負けない 日産・新型ノート、企画責任者・水口美絵氏に聞く
日産自動車は9月3日、コンパクトカー「ノート」を全面改良(フルモデルチェンジ)して発売する。
7年ぶりの全面改良により、2代目に移行する新型ノートはエンジンの排気量を1.2リットル(初代は同1.5リットル)に小さくしたうえで、スーパーチャージャー(過給機)でトルク(回転力)を出す「ダウンサイジングエンジン」を採用した。25.2km/リットルとハイブリッド車(HV)並みの低燃費ながら、価格は145万円とHVより15万~25万円安く抑えた。
ノートは欧州を中心に全世界での販売を計画する「世界戦略車」でもある。日本国内では小型車「ティーダ」の後継モデルとしての役割も担う。
その商品企画責任者が水口美絵チーフプロダクトスペシャリスト(CPS)だ(=タイトル横写真=)。水口氏は、日本の自動車メーカーでは初めて女性として新型車の企画責任者を任された。
実は日産生え抜きでなく、大学卒業後はトヨタ自動車に入社。その後、退職して専業主婦だった時期もあるユニークなキャリアの持ち主だ。日本の自動車業界に新しい風を起こせるか--。水口CPSに聞いた。
-- 新型ノートの位置づけを教えてください。
新型ノートは日産が持つ車種ラインナップのスターティングポイントという位置づけです。幅広いお客様に受け入れられるベーシックなモデルでなくてはなりません。
また、ノートは日本における「グローバルグロースモデル」の第一弾となります。グローバルグロースモデルとは、会社の経営資源を集中投下して、世界で販売台数を稼ぐ車種のことです。資金だけでなく人材も集中的に投資して、短い期間にも優先して開発します。その分、荷が重かったですが、短期間で開発を終えた代わりに、市場の新鮮な情報を素早く反映することができました。