価格と燃費を両立、HVには負けない 日産・新型ノート、企画責任者・水口美絵氏に聞く
--商品企画責任者として一番こだわった点は?
クラストップの低燃費はもちろん「乗っていて疲れない」「乗り降りが楽」など、車の基本を充実させたのが、今回のノートです。車の装備や仕様は毎日使うことを前提に決めていきました。毎日使っていただく中で、どれぐらい生活の質を上げていくことができるか。当然のように不満がなく、日常生活の道具として良い車と思ってもらうことを主眼に据えました。
もちろん走りも犠牲にしていません。今回採用したスーパーチャージャー(過給機)は第一に燃費のためですが、気持ちのいい走りができるようにファインチューニングして、車体の軽量化にも取り組みました。ちょっとずつでも毎日楽しいことを積み上げれば、5年経てば、すごい量になります。
新型ノートでは「低燃費と低価格」「低燃費と広い室内空間」という「二元価値」を追求しました。本来、低燃費を追求していけば、それだけコストがかかります。車は小さくしたほうが燃費を稼げます。そうした相反する価値をどう実現するかが一番難しかった。結果的に金銭的な面を考えると、新車の購入、税金、ガソリン代などをひっくるめて、すべて考慮すれば、他社のコンパクトHVより間違いなくお得な車になったと自負しています。
■新型ノートに搭載されるスーパーチャージャー
--初代ノートのコンセプトも受け継いでいる?
先代のノートやティーダもいいところをたくさん持っていた車です。日産のコンパクトカーの第1のセールスポイントは、室内の快適性。それは新型ノートでも踏襲しました。さらに「マーチ」や「サニー」と同じVプラットフォームを採用し、メカをかなり圧縮しました。それにより、このクラスでは信じられないほどの室内空間を実現できた。ノートでは日本のお客さまを想定して、荷室よりも、室内空間を優先して広くしています。
先代モデルはどちらかというと保守的なデザインだったが、今回は元気の良い、快活的なデザインを意識しました。日本ではコンパクトカーに対しデザインを重視しないお客様も多いですが、新型ノートは世界中で販売する車。海外では、遠くから見てもそれとわかるデザインが必要となります。