あの人が「うつ病」を自覚できない最大の理由 頑張りすぎて治療しないと最悪は命を落とす
ルールを守ったり、目標を達成したり、決まりごとを重視する傾向がある。柔軟な対応ができず、ストレスを溜めてしまうことが多い。
その場の空気を読む能力が高いという傾向がある。相手の期待が読み取れてしまうため、自身の気持ちより相手の要求を優先してしまう。
もちろん個人差はあるだろう。しかし、うつ病になりやすい人は「会社にとって都合の良い社員」であることは多い。過去にうつ病を患った私の妻も、この条件に見事当てはまっていた。大手通信企業の管理者であった妻は、過重労働や無理難題に対して「NO!」と言えない性格であった。責任感が強く几帳面、しかもNOと言わない。会社からすると使いやすい人材だったに違いない。
簡単に休めるような人はうつ病にならない
うつ病になりやすい人は、心身の不調があっても簡単に仕事を休んだりはしない。多くの精神科医はこう言うだろう。「仕事を減らしてもっと休みなさい」と。ただ、それが簡単にできる人はそもそもうつ病にならない。いくらつらくても仕事を優先してしまう人だからこそ、うつ病になるのだ。
「うつ病予備軍」の家族から受けた相談をまとめると、「治療が必要かもしれない」という自覚を彼らが拒否する理由のほとんどが以下3つに分けられる。
「この仕事が落ち着いたら…」といつまでも言い続ける人は多い。しかしうつ病は、往々にして「休めない時期」に限って発症する病気である。
「会社にあるメンタルヘルス相談室」には行きたくないと訴える人も少なくない。「アイツは戦線離脱した」と思われるのが恐ろしいのだ。
「警察官の夫がうつ病を治療してくれない」と相談を受けたことがある。「うつ病は弱い人間の病気だ。おれはうつ病じゃない」と抵抗していたという。
以上、3つの理由には共通点がある。「他者の評価を気にしている」という点だ。うつ病になりやすい人は周囲の声に対して敏感に反応する。「職場の人に迷惑がかかるから」という理由も、「仕事ができないと思われたくない」という他者の評価を気にする心理の裏返しである。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら