佐々木常夫氏「僕が必ず年頭所感を書く理由」

「書く」ことで自分の幸せに責任を持つ

佐々木恒夫氏が必ず年頭所感を書く理由とは?
気持ちも新たに迎えた新年。ところが仕事始めから、昨年の続きの1日がただ始まる――そんなぱっとしない年始を何度送ってきたことだろう。
「上司であれば、年頭所感を書くべし」と語るのは、2015年12月に『決定版 上司の心得』(角川新書)を上梓した佐々木常夫氏。東レの社員時代、闘病を続ける妻と自閉症の子を含む3児を世話するため定時退社を続けながら、同期トップで取締役まで昇進した経験を持つ。
抜きん出たタイムマネジメントとリーダーシップで知られる氏が語る「書くこと」の極意とは――。一年の計は元旦にあり。2016年の勝負はすでに始まっている。

管理職になって「自分のために」書き始めた

――年頭所感というと、首相や長官、企業のトップが公に発表するものというイメージがあります。佐々木さんはいつから書いてきたのですか?

私が年頭所感を書き始めたのは、管理職になってからです。それまではいかに自分の仕事を成し遂げるかだけを考えればよかったのですが、管理職になってみると役割はまったく違っていました。

上司は部下の人材の性格や能力をよく知って、彼らの能力を最大限に引き出し、相乗効果が得られるようなチームのあり方を探求する役目を負います。組織全体を伸ばすことによって何を成し遂げるのかということを考えるようになったんですね。

――部下に向けて、年頭所感を書き始めたということですか。

いや、自分のためです。私は「ひとつの部署には長くて3年」と決めていました。同じ部署で3年もやると成長曲線が上を向かないというか、そこから先はそれほど伸びしろがありません。それよりも「場所と場面はなるべくたくさん経験したほうが、こやしになる」と考えていました。利益を叩き出している部署から斜陽の部署に、わざわざ異動を願い出たこともあります。周囲は「なぜ?」と不思議がっていましたが。

3年でそれなりの成果を残そうと思えば、1年目、2年目、3年目でそれぞれにやることを決めて、計画的に進めなければなりません。たとえば、営業に異動したときは、着任して早々に、古くて効率の悪いサプライチェーンを変えようと決めました。川上から川下まで、非常に多くの人たちの利害が関わっているので、変えるのはたやすいことではありません。私の上司は「ムリだ」の一点張りでしたが、私はできると思いました。

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