「グダグダなプレゼン」に陥る日本人の共通項

その文化が生んだ5つの呪縛を理解せよ

日本人にはなぜプレゼン下手が多いのでしょうか(写真:kou / PIXTA)

企画の提案、成果の発表、専門分野の講義――。ビジネスシーンにおいて「プレゼンテーション」が必要な場面はいろいろとめぐってきます。しかしながら、日本人の多くがプレゼンを得意としていません。前回「『グダグダなプレゼン』しかできない人の習性」(10月22日配信)では、「日本的教育」にその呪縛があることをお伝えし、各方面から反響をいただきました。

まだまだあった!グダグダプレゼンの要因とは?

企業向けのプレゼン指導を行っている筆者の目から見て、日本人にグダグダなプレゼンが多いのは、ほかにも理由があると考察しています。今回は日本的教育と並んで日本人にありがちな「古くからの日本的文化背景」に起因した5つの呪縛を解説していきましょう。

その①「上下関係」の呪縛

日本人は「目上の人を敬う」という儒教の教えを忠実に守っている国のひとつです。その教えに根差す上下関係は、国民の秩序正しさという点で海外から信頼される礎にもなる一方で、国内では閉塞感をもたらすことにもなったと考えられます。

上下関係は、親と子、先生と生徒、上司と部下など、どこにでも存在します。「親と子も?」と思われる方もあるかと思いますが、子どもの人生に対して、「子の自由を尊重する」という意見に比して、「子の人生は親により可変だ」と考える親の比率が、日本は世界的に見て高いという幼児教育の研究があります。

「先生と生徒」についても、先生の教えを一方的に生徒が聴くという講義形式が学校教育のスタイルとなっているのには、この上下関係が背景にあると考えます。そして会社組織における「上司と部下」は、上下関係を表す最たるもの。下の人間は、自分の頭で考えて自分の意見を言うことよりも、上の人間が何を考えているかを察し、悟り、それを正確に再現することを優先し、またそれこそがよしとされてきた……そんな文化があるといえます。

そうした上下関係があるがゆえに、会社組織においては、若いうちは対等な立場で会議の場で発言をするという「正攻法」はよしとされず、外堀を埋めてから上司に相談する、あるいは、事前に上司にお願いし、上司の口を通じて本来達成したい事柄のための要望事項を伝えるなどなど、「根回し」や「腹芸」を駆使し、「行間を読む」などしながら物事を進めていくことが大事な要素になったりもするワケです。

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