佐々木常夫氏「僕が必ず年頭所感を書く理由」 「書く」ことで自分の幸せに責任を持つ

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――年頭所感には、個人的な目標も書くのですか?

仕事は仕事、個人は個人。「今年はできれば100冊本を読もう」とか、「欠かさずジムに通おう」とか、そういうことを書くのであれば、紙を分けて書きます。私は今年は毎日1万5千歩歩くことを目標にしていて、今日歩いた歩数を欠かさずエクセルに入力しています。そうすれば、今日が1万4千歩だったら、明日は1万6千歩歩こうと思うものですよ。

自分を愛しているか、否かの問題

――目標達成に、強い意志力が求められますね。

意志が強くなくても書くんです。宣言して自分に約束する。書くというのは責任が生ずることですからね。

「自分は意志が弱いからダメだ」という人がいますが、目標を立てて途中でやめてしまうというのは、自分を愛していない証拠です。目標を立てるのは、そうしたほうが自分が幸せになるからです。自分が幸せになりたいと願う人なら、がんばって歩いて健康になろうと努力するでしょう。太ってメタボになってもいいやという人は、自分を不幸せにしても平気な人ではないでしょうか。

目標を達成しようとするのは、意志の問題というより、自分を愛しているかいないかの問題だと思います。

『上司の心得』に書いたことも、すべては自分が幸せになるために努力するべきことです。

それをやるか、やらないか。どちらが自分にとって幸せな道ですか? と、そんなことをじっくり見直す機会として、年末年始にまとめる年頭所感を活用してほしいですね。

(構成:山田恵子、撮影:後藤利江)


 

佐々木 常夫 佐々木常夫マネージメント・リサーチ代表取締役

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ささき つねお

1969年、東京大学経済学部卒業、同年東レ入社。自閉症の長男を含め3人の子どもを持つ。しばしば問題を起こす長男の世話、加えて肝臓病とうつ病を患った妻を抱え多難な家庭生活。一方、会社では大阪・東京と6度の転勤、破綻会社の再建やさまざまな事業改革など多忙を極め、そうした仕事にも全力で取り組む。

2001年、東レ同期トップで取締役となり、03年より東レ経営研究所社長となる。 10年、(株)佐々木常夫マネージメント・リサーチ代表。

何度かの事業改革の実行や3代の社長に仕えた経験から独特の経営観をもち、現在、経営者育成のプログラムの講師などを務める。

著書に『完全版 ビッグツリー』『そうか、君は課長になったのか。』『働く君に贈る25の言葉』(以上、WAVE出版)など多数。

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