「セミナー・勉強会を崇める」残念な人の思考 学ぶことが目的化して、成功するはずがない
2015年も残すところ10日余り。仕事納めにはまだ少し早いタイミングですが、この1年を総括しているビジネスパーソンも少なくないでしょう。日々の仕事でどんな成果を残せたでしょうか。そして、みずからの成長を実感できたでしょうか。
「セミナー・勉強会中毒者」の人たちとは?
ここ数年は、転職市場が活況になっていることもあって、従来にも増して「スキルアップ」「キャリアアップ」といわれる場面も増えてきました。ところが、こうしたスキルアップ、キャリアアップという言葉に踊らされて、間違った努力をしている人も少なくありません。象徴的なのが、平日の夜や休日などに随所で開かれる、さまざまなビジネス・自己啓発のセミナーや勉強会へ、頻繁に通っている人たちです。
筆者はこうした人たちを「セミナー・勉強会中毒者」と呼んでいます。彼らや彼女たちの多くは、それらのセミナー・勉強会に参加すること自体が精神安定剤のようになっています。さまざまな学びの場に参加することで、「自分は頑張っている、成長している」と満足するのですが、実態とはかけ離れています。
これは、資格を取ることが目的になっている「資格・ライセンスコレクター」と同じ心理だといえます。これこそ資格試験に依存している状態で勉強をすること自体が、精神安定剤の代わりになっているのです。
資格コレクターの例でいえば、ある人からこんなことをいわれて、あきれたことがあります。「いま会社員で、社労士(社会保険労務士)試験に合格しているんですけど、行政書士の資格も取ろうと思って勉強中です。いずれは税理士にもチャレンジします」。本人は、「どうだ! すごいでしょう」と言わんばかりでしたが、資格試験にチャレンジするばかりで、ライセンスを武器に働こうとは考えていないようです。
セミナー・勉強会中毒者についても、本当は上手に活用すれば、計り知れないノウハウや人脈を得られる機会にもかかわらず、それ自体に参加すること自体が目的になってしまう。なんとも、もったいないといわざるをえません。
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