「セミナー・勉強会を崇める」残念な人の思考

学ぶことが目的化して、成功するはずがない

これとよく似た現象が、町の病院の中で見られます。毎日のように通院しているお年寄りが顔見知りになってそのコミュニティーができあがると、「今日は○○さん来ないね。風邪でも引いたかね」といったやりとりが交わされるとか。「ここは病院でしょう!」と突っ込みたくなりますが、そのお年寄りたちにとっては、病院に通うこと自体が精神安定剤になっている。それと同じことです。

無職から年収900万になったWさん

インプットすること自体は何も生み出しません。学んだことをアウトプットして仕事に活かし、初めて成果が出ます。以前、筆者の「独立・起業セミナー」に初めて参加したWさんは、東日本大震災で被災し、地元の福島県から埼玉県に避難している状態でした。

震災前はサラリーマンで、副業として整体の仕事をしていたのですが、地元に戻れるめども立たず、収入もゼロ。そんな過酷な状況の中、セミナーに参加してくれた熱意に心を打たれ、本来、有料で行っている電話コンサルティングを無料で受けてもらうことにし、私がもっているビジネスノウハウをできるかぎりWさんに伝えました。

その後、1年ほど連絡がなかったので、そのことを忘れかけていたところのある日、Wさんが筆者のセミナーに再び姿を見せて、こんなうれしい報告をしてくれました。「あなたから教わったことを、一つひとつすべて実践してみました。だから、報告が遅くなってしまいました。でも、そのおかげで埼玉に開いた小さな整体院はずっとキャンセル待ちの状態が続いています」と。

Wさんは、たった1回2時間のセミナー参加と無料の電話コンサルから学んだことをすべてアウトプットした結果、被災者で無職の状態から年収900万円を稼ぐ「行列のできる整体院の経営者」となっていたのです。ビジネスや自己啓発セミナーをハシゴするセミナー中毒者がいる一方で、Wさんのようにたった1回の学びの場で人生を変えられる人も存在するのです。

セミナーや勉強会という学びの場で新しい知見を得られることは少なくないでしょう。ただし、それを実際に生かしていかなければ何の意味もありません。少なくともセミナーにばかり通って、目の前の仕事に一生懸命になれない人が、成功などできるはずがないのです。

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