本当に出世したいなら「順番待ち」から脱せよ プロ経営者という選択肢もある

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出世のためにポジションの空席待ちが必要です(写真:kelly marken / PIXTA)

平社員に始まり、うまくいけば主任→係長→課長→部長→役員などと段階的に昇進していく。日本企業で働くビジネスパーソンにとって、相変わらず「社内で出世の階段を上り詰めること」は、会社員人生を送っていくうえでの一般的な選択肢だ。

会社内での「順番待ち」が出世欲を奪った

日本の上場企業社長の就任年齢は、この15年余りでかつての60代半ばから50代半ばに若返った。ただ、数百人以上の規模の企業ですら、たった1人の社長にまで上り詰めるのはかなり難しい。従業員が数万人規模の超大企業なら宝くじの1等1億円を当てるようなものだろう。

同期だけでなく前後の年齢にライバルは多数いる。業績を挙げていればなれるワケでもなく、さまざまな不確定要素がある。それを30年以上にわたって目指して行くのは、並大抵のことではない。若者が出世を望まなくなったのも、むべなるかなだ。

ところが、世界のエリートは違う。プロ経営者がたくさんいる。プロ経営者とは、企業でトップ出世をするのでもなく、起業して社長になるでもない。経営幹部となるための第3の道だ。若いときは経営者としての素質を磨くことに専念し、30代、40代では「経営者として雇われる」ことも珍しくない。経営者になるための「練習」の質が、サラリーマンとはまったく異なる。

日本のプロ経営者として有名なのは以下のような人たちだろう。ジョンソン&ジョンソン日本法人社長から転じたカルビーの松本晃会長兼CEO。ゼネラル・エレクトリック上級副社長から転じたLIXILの藤森義明社長。日本コカ・コーラ社長から転じた資生堂の魚谷雅彦社長。ローソン社長から転じたサントリーの新浪剛志社長。アップルコンピュータ(現アップル・ジャパン)そして日本マクドナルド会長からベネッセホールディングスに転じた原田泳幸会長兼社長などだ。

彼らはプロ経営者のほんの一部にすぎない。実際、世の中にはそれほど知名度はなくとも、40代を中心に多くのプロ経営者がさまざまな企業で活躍している。

いったいどうしたら、プロ経営者は40代の若さでこれらの企業を率いることができるようになるのか。40代といえば、大企業ではようやく課長になったばかりという年齢だ。結論からいうと、例外なく相当な「修行」を積んでいる。それは、経営者としての訓練を積むことだ。

プロ経営者となった人たちは、それぞれの年代で何をしているのだろうか。

次ページプロ経営者、20・30・40代での行動
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