国内カラオケ市場飽和でもボーカロイド、K−POPなどの独自配信で差別化する--日野洋一・鉄人化計画社長

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--オリジナル配信曲を同業他社に外販して、開発コストを回収するという考え方はないのか。

当社では、もともとベースに集中管理システムがあるため、そうしたオリジナル配信にも対応できる。この集中管理システムを「鉄人システム」と呼び、これまで累積で数十億円も投資して構築してきた。が、そうしたシステムを持たない同業他社ではオリジナル配信に対応できない。

同業他社の店舗では、ルーム内にメーカーから買ったコマンダーを置いて、配信されてくるコンテンツを流しているだけ。コマンダーにある楽曲はそのルーム内でしか使えないし、オリジナル楽曲を配信しようとしても、配信する物理的な仕組みを持っていない(注:「鉄人システム」は、すべてのルームで複数の通信カラオケコマンダーが利用できる、鉄人化計画が独自開発した集中管理システム。同業他社の店舗ではルーム内に配されているコマンダーが、カラオケの鉄人では店舗のバックヤードに配されている)。

鉄人システムは集中管理でいろいろなハード機器を制御しているため、いくらでもハードを外付けできる。われわれ独自のハードを外付けし、そこからオリジナル楽曲を各ルームに配信できる。Kumyoung社のコマンダーにしても、同業他社が自店のルームに設置しようとしたら、すでに設置されている日本メーカーのコマンダーとともにそのルームに置くことになるだろう。どのルームでもKumyoung社の配信する楽曲を歌えるようにするには、全ルームに同社のコマンダーを置く必要がある。

ところが鉄人化計画では、理論的には各店舗に各メーカーのコマンダーが最低1台あれば、全ルームで全楽曲を歌うことも可能だ。ただ、あるコマンダーに入っている楽曲に各ルームからのリクエストが重なるとお客様に待っていただかないといけない。そこで20ルームある店を例にとると、普通のカラオケ店なら20台のコマンダーがあれば足りるが、カラオケの鉄人ではその1.3~1.5倍の台数のコマンダーを設置し、お客様に待ち時間のストレスが生じないようにしている。

■本命のカラオケ出店に向け、台湾ではまずラーメン店を出店

--鉄人化計画は台湾に進出し、ラーメン店などを出店している。なぜカラオケ店ではないのか。また、台湾以外のアジア進出については?

本命はやはり、カラオケのオペレーターとしてアジアで出店していくこと。向こう3年ぐらいは、実験や調査の期間と位置づけている。この1年ほど試行錯誤してきたが、国によってレギュレーション(規制)がマチマチで、著作権の問題や、カラオケ店の営業規制が異なるという問題がある。お酒を出してはいけないとか、警察の許可がないと店を出せないとか、国ごとに違う。

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