上手にごちそうになるうえで、もうひとつ大切なのは、「素直さ」そして「食べるときの姿」です。
上手に催促し、おいしそうに、きれいに食べる
猫を飼っている人からよく聞くのは、「うちの猫、おなかがすいたときだけ、『ごはーん』って鳴く」というもの。
先日も、あるお宅でその家の猫の撮影をしていたのですが、いつも「にゃーん」と鳴いている猫が、おなかがすくと本当に「ごはーん」と鳴いたんです。かわいかったです。
猫って、ご飯の催促がとっても上手です。ご飯のボウルの前でお地蔵さんのように座ってお茶碗をじーっと見てたり、飼い主を熱い視線で見上げたり。
人間も同じです。素直に「おなかがすきましたー!」ってアピールされたら、誰だって「かわいいヤツだ」と思っちゃいますよね。
「おなかがすいている」というのは、考えてみれば、最も無防備な状態。そんな無防備な姿を自分にさらけ出してくれているというのは、上司の「おごってやろう」ゴコロ(?)をくすぐる大きなインセンティブになると思います。
猫にも「おいしい顔」ってあるんです。おいしいご飯、好みの食べ物をもらうと、本当にうれしそうな顔で、夢中に食べます。食べている間は一生懸命。食べ終わると、お皿までキレイになめます。
そして食べたあとは「こんなおいしいご飯、食べたことなかったわ」と言わんばかりの幸せそうな顔でグルーミングをします。その姿を見ていると、「かわいいなぁ」と幸せな気持ちがこみ上げてきます。
逆に、おいしくないご飯(安売りの猫缶なんか)をあげようものなら、最初から「ナニコレ?」みたいな顔で寄ってきて、クンクンと、さも不審そうに匂いを嗅ぎ、「フン」みたいな態度。そのまま不満そうに食べる子もいるけれど、「バイバイ」と行っちゃう猫もいます。
人間も同じで、つまらなそうな顔でチョビチョビ食べたのでは、ごちそうし甲斐がないですよね。しかも大幅に食べ残されたら最悪。「誘うんじゃなかった」と思われかねません。逆においしそうな顔で残さず、一生懸命食べてくれたら、ごちそうする側もうれしくなる。人間も、意外に根は単純だと思います。
別に演技や無理をする必要はなく、おいしいものを「おいしい」といって笑顔で食べる、そして基本は食べ残さない、それで十分だと思います。
ご飯のあとの、猫の「おいしかった顔」を見て、こちらも幸せ気分になれる――。それが人間界で再現できれば、あなたも今日から「おごられ上手」の仲間入りです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら