年末までにやりたい「トヨタの片づけ」家庭編 散らかった家の中が劇的に変わる!
最後のポイントは、保管場所を増やさないことです。高い意識の持ち主でもない限り、保管場所の上限まで物を買ってしまうものです。従って、保管場所を増やしてしまうと、その分だけ物は増えます。物理的に場所を増やさなくても、圧縮袋などのキットを使って収納場所を増やすことも、実質的には同じ。保管場所を増設することは、物を捨てるという判断を先延ばしにしているだけです。「楽に」快適な生活を送るという意味では、物は少ないほどよいのです。
家族全員が「わかる・できる・続けられる」仕組みに!
さて、ここまで片づけの手順をご紹介してきました。ただ、これらをそのまま実行し、継続できるかというと壁にぶち当たる人もいるかもしれません。
そこで、トヨタの片づけを家庭で応用する際の最大のコツを最後にご紹介します。それは、家族の誰でもわかる・できる・続けられる仕組みづくり。つまり、基準が明確で判断に迷うことなく(わかる)、ムリなく実行でき(できる)、簡単で楽しく続けられる(続けられる)状態にすることです。
ポイントの1点目は、自分1人で抱え込まないこと。この記事を読んでいるあなたは、恐らくは片づけへの関心が高い方でしょう。一方でご家族は、あなたほど関心がないかもしれない。家族が休んだり遊んだりしている時に、あなた1人が片づけをしている…という場面はないでしょうか。これが、片づけが長続きしない要因の1つです。
弊社が指導するお客様現場での改善活動も、一部のコアメンバーだけで進めていては長続きしません。どんなに素晴らしい状態を作り上げても、彼らが去ってしまうと元通りになるからです。一方で、実際に現場を担う作業者たちの支持・協力を得られた活動は長続きします。単に継続するだけでなく、当事者ならではの改善のネタも出してくれるので、より発展していきます。同様に、意識が高いあなた1人が孤軍奮闘する状態はやめて、家族を巻込むことを目指しましょう。
ポイントの2点目は、あなたが決めたルールを家族が破ったとしても、その家族を責めないこと。一所懸命であればあるほど、責めたくなる気持ちはよく分かります。しかしそれは、その家族が悪かったのではなく、しくみが不十分だったのです。
トヨタには「人を責めるな、しくみを責めろ」という口ぐせがあります。ルールが守られなかったり問題が発生したりした場合には、当事者自身ではなく、当事者がそうするに至ったしくみが悪いということです。つまり、仕組みを完璧につくり込むことで、仕組みが破られるリスクは減らすことができます。恐らく最初は、何度も家族にルールを破られます。しかしその都度、改善を重ねることで、より家族を巻込むことができる、洗練された仕組みになるはずです。
① 物を持つコストを計算してみよう
② 作るのも変えるのも簡単な、ビニールテープを使おう
③ 「家族全員がわかる・できる・続けられる」仕組みを作ろう
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