しこたま貯金したいなら、「トヨタ式」に習え 下請けで学んだ男が説く人生のカイゼン術
企業や役所などで冬のボーナス(賞与、一時金)が支給される時期。半年ぶりに入ってきたまとまったおカネをすべて使わずに貯金して残しておこうと思う人は、少なくないでしょう。一方で、ぜいたく品や旅行、自己啓発などに充てたり、月々の生活費の赤字を補填したり、住宅ローンの返済に回したりなどしているうちに、気づけば手元にほとんど残っていないケースも少なくないのではないでしょうか。
金融広報中央委員会が11月に発表した調査結果によれば、金融資産がゼロという世帯は全体の3割に上ります。収入自体が高くないために家賃や光熱費、食費、雑費などの生活費をひねり出していくだけで精いっぱいだという家庭も少なくないのですが、一方で、年収が1000万円を超えるような高給取りの世帯でも、貯金ゼロというケースも1割以上あります。
「トヨタ式」を私生活に置き換えて、貯蓄に成功
かつて私も貯金がかなり少ないグループに入っていました。しかし、私はある習慣を生活に採り入れてコツコツ実行することで、気づけば9年間で1600万円のおカネを貯めることができました。確かに製造業の上場企業に勤めていましたがそれは超有名な企業でもなく、特別な高給取りだったワケではありません。そもそも一般的に製造業は金融・不動産業に比べ意外に年収は高くないものです。
ポイントは私が勤めていた会社が、トヨタ自動車の下請けメーカーだったことに起因しています。愛知県に14年間赴任しトヨタとの取引で自然と身に付けた「カイゼン」の考え方と習慣、成功の法則などを私生活に置き換え、自分の解釈を踏まえながら実行していったことが大きかったのです。
実際には5段階の考え方に沿って、私生活に当てはめていきました。順を追って説明していきましょう。
当時42歳だった私はその頃に離婚を経験し、それを機に家庭のために購入していたマイホームを手放しました。たまたま残ったローンとほぼ同額で売却できたのは不幸中の幸いでしたが、手元に残った資産は、給与天引きで積み立てていた財形貯蓄の約100万円だけでした。
自分や自分の家庭がどのような状況に置かれているのかを、ざっくりとでも冷静に見つめ直すことで次へのカイゼンへの道が見えてきました。基本中の基本かもしれませんが、まず重要なのは「現実を知る」ということ。トヨタにおける3現主義「現地へ行って、現物を見て、現実を知る」の第一歩です。逆に、現実から目を背けて他に逃げ道を求めても、何も改善しません。
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