時間に甘い人は、30代以降を乗り切れない 厳しい時間感覚が、人生をぐっと豊かにする

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生産性を高める、ということが重要な指標となり、長時間労働をどう是正するか、との議論も多くなってきました。不夜城のように働くことは許されない時代です。そして、そんな時代の到来は、家庭やプライベートも充実させたい女性たちにとっては、「長く会社にいること=頑張っている」という呪縛から逃れ、同一労働・同一賃金の法則にのっとった、正当な評価を得るベースになっていくことでしょう。

「こんなに業務があるのに終わるわけがない」「そうは言っても上司が残業していると帰れない」という方もたくさんいらっしゃると思いますが、会社が方針を出すだけでは組織は変わっていかないものです。実は、一人ひとりが強い意識を持つことの方がよほど成果に繋がっていくのです。

子どもを持ちながらフルタイムで働いていると、夕方の会議がだらだら長引くことは本当にたまらないことでした。また、なんとか段取りをつけているのに、誰かが締め切りを守らないことで、最初から仕切り直さねばならない事態に陥り、ため息をついたことも数知れずです。

打ち合わせのアポを平気でいつもずらそうとする人、終了時間になっても気にせずに自分の言いたいことをたっぷり話す人、そんな人たちは、時間が有限だということや人の時間もシェアしているのだということに気づいていないのだとしか思えませんでした。

年齢を重ねて、会社だけでなく家庭や地域での役割も増えてくると、自分の時間をどうひねり出して充実させるか、というのは最大のテーマになってきます。そんな時、若いうちからその訓練を受け、心構えがあれば、どんなに心強いかわからないのです。

また、そうやって自分と周囲の時間を大切にしていれば、例えば子どもの急な発熱などでどうしても時間に間に合わないときも、不測の事態が起こったときも、「どうしてあの人の尻拭いをしなくちゃいけないの?」と言われることなく、本気で周囲が心配してくれたり手伝ってくれたりします。だからこそ、これからの人生を充実させたい人、とくに若い女性たちには、この「時間意識を高めまくる」ということこそ、強くお勧めしたい習慣であり、絶対に武器になるものなのです。

まずはスタート時間をきっちり守ろう

納期をきちんと守ることは当然ですが、まず第一にすべきは、人との時間――会議や打ち合わせやそういった時間のスタート時間を徹底して守ることです。10時からの会議は、10時に会議室に行けばいいのではありません。10時から始まるのです。そのために逆算して行動することがとても大事。そして、持ち時間を守ってプレゼンすること、終了時間どおりに終了できるように仕切ることを意識していくことです。

それを続けていくと、「いつも30分長引いてしまうので、終了時間を設定し直すか、時間どおりに終わらせるようにできないか、考えませんか?」と会議で発言することもできるようになります。「あの彼女が言うのだ。そのとおりだ」と思ってもらえる日常を積み重ねておけば、少しずつ周囲を変えていくことだってできるのです。

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