月に降りないのに"歴史的"──約54年ぶりの有人月周回「アルテミス2号」が、月面基地と資源競争の前に確かめる決定的な意味
ちなみに、コアステージがオレンジ色をしているのは、表面をイソシアネートとポリオールの混合物をスプレー塗布したウレタンフォーム断熱材に由来するものだ。
いよいよ月への有人飛行が再開へ
アルテミス2号ミッションでオリオン宇宙船に乗り込むクルーは、NASAのリード・ワイズマン飛行士、ビクター・グローバー飛行士、クリスティーナ・コッホ飛行士と、カナダ宇宙庁のジェレミー・ハンセン飛行士の4名だ。特にカナダにとっては、ハンセン飛行士が同国初の月周回飛行を実現する特別なミッションとなる。NASA以外の飛行士を乗せることは、アルテミス計画が国際協力によって成り立っていることを強調するものだ。
1月31日時点で、すでに4人の飛行士は宇宙服の装着、ミッション全体のリハーサル、そして発射台への移動からオリオン宇宙船搭乗までの宇宙飛行士打ち上げ当日に体験するあらゆる手順を行う予行演習を終え、宇宙に出てからなんらかの感染症を発症しないための隔離期間に入っている。
飛行士たちは昨年、彼らが乗り込み、月へ向かうオリオン宇宙船に「インテグリティ(誠実)」と命名した。その名は、飛行士たちだけでなく、このミッションを成功に導くために携わった技術者、科学者、計画担当者、そして夢を追う人たちが築き上げた信頼、敬意、率直さ、謙虚さの基盤を体現するものだという。
アルテミス2号の打ち上げは、本稿執筆時点では早ければ2026年2月8日にも実施される予定となっている。月と地球の位置関係から、アルテミス2号の打ち上げ可能期間は現地1月31日~2月14日、 2月28日~3月13日、3月27日~4月10日の3回あり、各期間のうち地球の自転などの関係から2月6日、7日、8日、10日、11日、3月6日、7日、8日、9日、11日、4月1日、3日、4日、5日、6日に打ち上げ可能なウィンドウが開く(いずれも現地の日付)。
「早ければ2026年2月8日」と上で述べたのは、天候不順や機材トラブルなど、打ち上げ延期の可能性が常にあるからだ。今回の打ち上げも、すでに気象条件から打ち上げ前手順のひとつであるウェットドレスリハーサル(ロケットへの液体推進剤注入からカウントダウン、推進剤安全な除去手順までの確認作業)の日程が変更され、2月6日と7日の打ち上げウィンドウを逃すこととなっている。今後も日程がさらに延期される可能性もあるだろう。
いずれにせよ、アルテミス2号ミッションは、再び人類を月面に送り込み、将来的な月面基地の設置などを目指すための重要なマイルストーンになるだろう。
そして何年後になるかはわかっていないが、将来のミッションでは、日本人飛行士が月面での探査活動に参加することも予定されている。その日が早く来ることを願いつつ、まずはアルテミス2号ミッションが成功するよう祈りたい。
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