月に降りないのに"歴史的"──約54年ぶりの有人月周回「アルテミス2号」が、月面基地と資源競争の前に確かめる決定的な意味
アルテミス2号と呼ばれる今回のミッションは、10日間のスケジュールで実施される予定で、早ければ2月8日にも打ち上げを行い、SLSの先端から分離したオリオン宇宙船は、月の裏側をめぐる周回軌道を通過して地球に帰還する予定となっている。
アルテミス計画の目的
そもそも、なぜいまNASAはアポロ計画以降実施されなかった月面の有人探査を、アルテミス計画で再開しようとしているのだろうか。
アルテミス計画は、2017年に発表された第1期トランプ政権が発表した宇宙政策指令第1号によって正式に発足した、主に月探査を目的とするアメリカ主導の国際協力ミッションだ。
この計画では、まずは人類の月面活動を再開することを目的としており、長期的な目標として月面に恒久的な基地を設置することを掲げている。そして、月面に飛行士が常駐する基盤を作ることで、将来的な火星への有人探査を計画・実現することを目指している。
しかし、アルテミス計画には別の一面もある。それは中国やロシア、インドなどとの月面探査競争だ。
現在、中国は2030年までに月の南極付近への初の着陸を目指して、独自の宇宙船を開発中だとされている。ロシアは、2030年から2035年頃までに宇宙飛行士を月面に送り、小規模な基地を建設することについて協議を続けていると言われている。またインドは、2023年8月にチャンドラヤーン3号を月の南極付近に着陸させることに成功し、それを受けて宇宙飛行士を2040年頃までに月面に送り込むことを目標に定めている。
これらの国が月面に飛行士を送り込み、さらには基地建設まで計画する理由のひとつには、そこに眠る資源をいち早く確保したいという思惑がある。


















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