「線香花火に1万円なんてありえない」と猛反発された…でも「これは100円で売る花火じゃない」小さな工房で花火師の妻が起こした静かな逆転劇
1本の線香花火が、ふたりの思いを重ねた。
今日子さんは、動き始める。
真似できないものを作る
「良太さんが作る線香花火を日本のいいものとして届けたい」と考えた今日子さんは、中国産と差別化するため、手を打つ。
まず持ち手の3色のうち紫を青色に変えてみた。見違えるほどよくなったと感じたが、ほどなくして、同じ色合いの商品が出回った。
「もう、これはらちあかん。色を変えても、すぐに真似されてしまう。どこにも真似できないものを作りたい」
今度は、日本の四季の「花」を線香花火で表現することを思いつく。ピンク、ブルー、オレンジ、白。和紙を色づけして春夏秋冬を映してみる。それでも、まだ、足りなかった。
「見た目を変えるだけでは、すぐに追いつかれる」と考えた今日子さんがたどり着いたのは、地元の素材を使うことだった。
「私たちの地元のものを使えば、真似できないし、真似しても意味がない。この地に根付いてきたストーリーがあるからこそ意味がある」
八女の手すき和紙。地元の和ろうそく。大川の木工職人が作るろうそく台。筑後地区から九州へと地域を広げ、天然素材を集めた。花びらを作るところは、今日子さんが手遊びのように試行錯誤した。


















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