「思考のツール」「投資」としての側面も大きい(写真:cba/PIXTA)
「現代美術は役に立たない」
実利を求める現代社会において、そう切り捨てられることも少なくありません。
しかし、東京都現代美術館学芸員の藪前知子氏は、「現代美術こそ、いまの世界のしくみを知り、未来の可能性を思考するための最良のツールである」と説きます。
AI時代の到来とともに、硬直した思考を解きほぐし、いまある社会システムに対して「問いを立て直せる力」がますます重要視されています。
そこで世界中のビジネスパーソンが、「リベラルアーツ」としての現代美術にますます注目しているのです。
世界で300万部のベストセラーになった『全人類の教養大全』シリーズ刊行記念トークイベントの締めくくりとなる今回の後編では、アートがいかにして社会システムや政治に介入し、私たちの思考をアップデートするのか。そして、なぜ今「リベラルアーツ」としての芸術が必要なのかを明らかにします。
「当たり前」を疑え
これまで見てきたように、現代美術は私たちの社会のあり方を鋭く批判する力を持っています。このことを主題とした、権力構造やシステムをあぶり出す「制度批判(インスティテューショナル・クリティーク)」と呼ばれる1つの流れについても触れておきたいと思います。
そのパイオニアにハンス・ハーケという、ドイツに生まれ、長らくニューヨークを拠点に現代美術の世界に大きな影響を与えてきた作家がいます。
私は今、2027年に東京都現代美術館で開催される彼のアジア初の回顧展を準備しています。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら