主婦の「普通の情報」に大きな価値があった マンション販売で地域のリアル情報を提供

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地域のことは地域に暮らす人に聞く――。「パークホームズ調布桜堤通り」の販売に際し、この「引越し下見サービス」に注目したのが、物件の販売促進を担当するリクルートコミュニケーションズ住宅制作部ディレクターの幸田泰尚氏と伊藤友氏、そしてリクルート住まいカンパニー分譲マンション営業統括部の内田皓大氏である。

リクルートコミュニケーションズ住宅制作部ディレクターの幸田泰尚氏

三井不動産レジデンシャルが「パークホームズ調布桜堤通り」の販売戦略で最も重視したのが「立地」の魅力を伝えることだった。かつてのマンション販売は、商品(建物の構造や居室の間取り、設備など)の魅力で売れた。しかし、マンション開発が進化し、もはやそこに大きな差はない。最近の差別化ポイントは、「どこに住むか」だ。吉村氏は「この物件は”この地域に住む価値”をいかに伝えるかが重要だと判断した」と話す。そのためにすべきことを、リクルート側のチームとともに検討を進めることとなった。

リクルート住まいカンパニーは「SUUMO(スーモ)」という住宅・不動産の情報サイトを運営する。この物件の情報を公開するにあたり「本当に従来通りの情報提供の仕方で売れるのだろうかという課題意識が生まれた」(幸田氏)。そこで、幸田氏らはまず情報収集のために、調布に拠点をおき「引越し下見サービス」の実績をもつポラリスと面談の機会を持った。その後、情報のやり取りをするなかで、次第に3社が一緒に取り組むプロジェクトという方向性が生まれていった。

リアルに伝えるライフスタイル

購入検討者に調布で暮らすライフスタイルのイメージをいかにリアルに伝えるか。3社はともに、具体的な立て付けから販売現場におけるスタッフ業務や購入検討者の動線などについて検討した。その中で、ポラリスからの提案も形になった。

販売センターが完成すると、女性たちが常駐する一室にはコルクボードが設置されていた。さまざまな情報をマップに貼り付けて、購入検討者が欲しい知る人ぞ知る情報を可視化させるためのものだ。「3社の関係がフラットで、話し合いも同じ目線でできた」とポラリス取締役の大槻昌美さんは言う。

ポラリスもリクルートとともに情報提供者として備えておかなければならない情報をそのつど整理し、購入検討者への対応などについてレクチャーを受けたりするなど、3回にわたるワークショプを開催し、研修を重ねた。当初からポラリスにかかわりのあったメンバーだけでなく、宮崎さんのようにマンション建設地の近くに住んでいるという女性もスタッフとして新規で受け入れた。

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