ライフステージに合わせて、誰もが自由に自分が望む分だけ仕事ができ、自分が望む分だけ暮らしを大切にすることができる――。「セタガヤ庶務部」は、そのようなコンセプトのもと、子育て中の女性がチームで仕事を請け負う組織だ。
登録者は約170人。データ入力、ウェブサイト作成やマーケティングモニターなど、企業や行政、個人事業主などから受注した仕事を、やりたいメンバーが手を挙げてやる。あらゆる仕事に手を挙げて月7万円以上稼ぐ人もいれば、月3000円程度の人もいる。ただ、どんな仕事でも必ずメンバーがチームを組んで取り組むのが原則だ。それがあるからこそ、自分が望む分だけ仕事ができる。自分にとって“ここちよい”と思える働き方を選べるのだ。
セタガヤ庶務部でコーディネーターを務める園田さんは言う。「自分1人では難しいことでも、それぞれの生かせることをパズルのように組み合わせればうまくまわしていける」。同じくコーディネーターを務める田中さんは、小学校2年生と幼稚園年少の子どもを抱えながら3カ月前に第3子を出産したばかり。今はまだ生活リズムをつかむのもままならない状況で、仕事をする時間がなかなか取れない。だが「『こういう時だから仕方ないよ』と言ってくれるメンバーがいる。今はできることを少しずつやっています」と、自分にとって“ここちよい”と思える働き方を実践している。
未来における当たり前の働き方とは
セタガヤ庶務部を運営するのは、「非営利型株式会社ポラリス」だ。非営利型株式会社とは、定款で配当を制限した株式会社。事業で得た利益は株主に配当するのではなく、社会課題の解決のために還元する。
「未来における“あたりまえのはたらきかた”を実現したい」とポラリスの代表・市川望美さんは語る。市川さん始めポラリスを作ったのは、出産を機に仕事を辞めた3人の女性だ。取締役の山本弥和さんも「自ら望んで専業主婦になったものの何かずっと引っかかっていました。やっぱり自分の足で立ちたいと思っていたんです」と語る。
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