「銀行の仕事、特に個人渉外の仕事は自分に向いているとつくづく思うんです。もっとたくさんのお客様に顔を覚えてもらえるように頑張っています」
神奈川県の横浜銀行で働く白井菜さん(22)は今、仕事への意欲に満ちあふれている。横浜銀行で働き始めたのは今年7月のこと。実はこの3月まで、福井県の福井銀行で働いていた。神奈川県に住む男性との結婚を控えた昨年9月、白井さんは上司に退職を申し出た。
「結婚して神奈川県に転居する予定なので、今年度いっぱいで退職させていただきます」
上司が退職に「待った」
地方ではよくある話かもしれない。地元で就職しても、結婚や配偶者の転勤を機に大都市へ出て行く女性は少なくない。銀行の仕事が好きだった白井さんだが、結婚後は新しい土地でまた一から仕事を探そうと考えていた。
ところがその2カ月後、上司が白井さんの退職に「待った」をかける。11月12日に千葉銀行の佐久間英利頭取が音頭を取る形で、地方銀行協会加盟の64行が名を連ねる「輝く女性の活躍を加速する地銀頭取の会」が発足。その中で、年度内にも配偶者の転居先にある地銀で再就職できるような仕組みを整えることになったのだ。この仕組みを使えば、白井さんも転居後も銀行の仕事を続けられるかもしれない。
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