トップクリエーターは0歳児のママだった 育児をしながら写真で稼ぐ、その秘訣とは

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2年前に購入したスタジオで自分の子どもを撮影するUshicoこと山崎亜沙子さん

今年9月14日に東証マザーズに上場したピクスタは、インターネット上で写真やイラストの販売を行うマーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」を運営する会社だ。プロ、アマ問わず広く一般のクリエーターから写真やイラスト、動画などのデジタル素材の投稿を受け、それを広告やウェブサイト、商品パッケージなど商用で利用したい企業に販売している。

そのピクスタの上場日。東京証券取引所で催された記念セレモニーの場に、3人のカメラマンが参加していた。Xiantao(シャンタオ)さん、わたなべりょうさん、Ushico(ウシコ)さん――。いずれもピクスタのサービス黎明期からかかわり、今ではトップクラスの売り上げを誇るクリエーターだ。3人はそれぞれ企業の成長を支えたひとりとして、上場記念の鐘を打鐘するという大役を担った。

ピクスタのクリエーターは、掲載している作品が購入されるとその売り上げの一部を報酬として受け取る。売り上げ上位のクリエーターともなれば、月に100万円以上稼ぐ人も少なくなく、それで生計を立てている人もいる。上場セレモニーに参加したトップクリエーターのひとり、Ushicoこと山崎亜沙子さん(37)は、雑誌や広告などの撮影もこなすカメラマン歴14年のプロにして、生後10カ月の子どもを育てるママだ。

武器は“使われやすい作品”を量産する技術

山崎さんがつねにピクスタの売り上げ上位にランクインしているのには、それなりの理由がある。第一に、山崎さんの写真は、企業が広告や出版に利用する際に使いやすいかどうかが意識されている。撮影作品としてどんなにいい構図でも、その写真を利用してデザインする際に使いやすいとは限らない。テキストを入れられる余白の位置などが重要となるのだ。また、使いやすいシチュエーションというのもある。山崎さんの写真は使う側のニーズがどのようなところにあるかを想像し、シチュエーションを作り込む企画力もある。

第二に掲載されている作品数だ。山崎さんは1回の撮影で数多くの作品を生み出すスピード感を持っている。1回の撮影でも、そこでモデルに寄ったり引いたり、何通りものポーズを試したり、さまざまなバリエーションを作り出すのでアップする作品の数が増える。作品数が増えればピクスタ上での検索においても優位になるというわけだ。

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