再就職したいが何から始めればよいかわからない、スキルを身に付けたいがまとまった学費は用意できない――。こうした女性がまず向かう先といえば、ハローワークや人材派遣会社だろうか。実は、これ以外にもタダで手厚い就職支援が受けられる場所がある。
東京都が都民の就業支援を目的に設置した、「東京しごとセンター」(東京都千代田区)だ。若者から高齢者まで年齢層別にサービスを展開しているが、2014年7月には「女性しごと応援テラス」(以下、テラス)という、女性に特化した支援窓口もオープンした。
テラスは昨年スタートしたばかりなのでまだ認知度は高くないが、開催するセミナーやプログラムはいつも盛況で、今年度は各種回数を増やしたという。都内企業への就職希望者なら誰でも利用できるため、その充実した支援内容を聞きつけ、埼玉県や神奈川県から足を運ぶ人もいるそうだ。2015年3月末までの同テラス利用者数は約1000人。このうち337人の女性が再就職を実現したという。
懇切丁寧なマンツーマン支援
利用者の大半は、30歳代後半~40歳代前半の女性。乳幼児から小学生まで子育て中の人が多く、セミナーなどがある日は無料の託児室(事前予約制、満1歳~6歳までの未就学児対象)もにぎわう。介護や子育てが落ち着き、10~20年以上のブランクを経て再就職を目指す女性も多いという。このように育児やブランクといったハンデを抱える彼女たちだが、それでも就職できるのは、内定まで支えてくれる「伴走者」の存在が大きい。
ここがテラスの最大の特徴になるのだが、利用登録をすると専任の就職支援アドバイザーがつく。個々のレベルや事情に応じてマンツーマンの丁寧なキャリアカウンセリングを提供してくれるという。応募書類の書き方や面接対策など、一般的な就職テクニックの指導はもちろん、その土台となる自己分析の部分からしっかりサポートしてくれるそうだ。
「ブランクのある人もそれまで何もしていなかったわけではない。PTAの広報やママ友との付き合いなど、アドバイザーが一緒に一つひとつ棚卸しを行い、自己PRに落とし込んでいく。この準備がしっかりできた人はブランクがあっても採用されやすい」と、しごとセンター課・課長代理の平野朋子氏は話す。
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