藤田氏は現在、日本マイクロソフトの社会貢献事業「CWBJ(Code; Without Barriers in Japan:以下、CWBJ)」に公式パートナーとして参画している。CWBJは、AI分野での女性活躍を目指し、スキル習得支援を通じて、雇用制度や採用慣行といった“外側の壁(Barriers)”を取り払う取り組みだ。
第1期では、延べ約7000人が参加。修了者の中には、人材育成企業のITトレーナーに転職した人、事務派遣社員からIT企業の契約社員へ職種転換した人、中小企業のDX支援事業を起業した人などの事例も生まれた。スキル支援が機能し、キャリアの再構築につながったケースだ。
外資系企業で長年管理職を務めてきた藤田氏は、もう1つ、内側の壁があるという。「自信のなさ」や「自己評価の低さ」が挑戦を妨げている。スキル(アプリ)を増やすだけでは不十分。それを動かす基盤が「他人基準」や「自信欠如」のままでは、キャリアの継続は難しい。
「心のOS」が挑戦の加速度を生む
こうした内側の壁に向き合うため、藤田氏が今年10月に開講したのが「変化を味方にする人になる!AI時代のキャリア・マインド講座」だ。
CWBJ第2期の取り組みの一環として実施されたこの無料講座には、現状を変えたいと願う120人の女性が参加し、1カ月間のフォローアップセッションも行われた。
講座では、思考パターンや自己評価のクセを可視化し、「できない理由探し」から「どうすればできるか」へと心のOSを書き換える。受講者からは「挑戦意欲が増した」「自己効力感が高まった」「行動へのハードルが下がった」といった声が寄せられた。満足度は高く、次回参加意向も全員から寄せられた。
自己肯定感の高まりが、勤務形態の交渉につながる可能性もある。自分に合った働き方を選び取る力こそ、働きやすい社会への第一歩だ。


















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