「仕事はシェア」「週休3日」。イギリスの"給与も職責も変わらない"母親の働き方――なぜ日本は海外に学べないのか。女性のキャリアを阻む壁とは

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日本とイギリスの柔軟な働き方に関する政策・運用の違い
日英の制度差は、女性のキャリア継続に“どれだけの余白があるか”を決定づける(図表:筆者作成)
ロンドンのビジネス街
筆者の友人が働くロンドンのビジネス街。柔軟な制度がキャリアの継続を支える(写真:筆者撮影)

だが、制度が整っていても、実際に使えるかどうかは別問題。日本では、日常の空気や周囲の視線――つまり文化の壁があるという。

罪悪感から解き放たれる母親

「母親だから頑張らなきゃ」「手作りじゃないと申し訳ない」。そんな空気が、日本では女性の挑戦を無意識に縛っている。

2人の小学生の母でもある藤田氏はそう語る。

一方のイギリスでは「比べない前提」が社会に根づいていて、日本で起こりがちな母親同士の“暗黙の競争”が生まれにくい。実際、運動会のお弁当が市販のサンドイッチと果物でも受け入れられ、「家庭ごとの正解でいい」という穏やかな空気が広がっている。

育児は母親だけの責任ではなく、家庭全体で担うもの。だから、在宅勤務の父親が午後3時に子どもの迎えにいく姿も日常的だ。「●●だからこうあるべき」という無言の圧力ない社会は、母親も罪悪感から自由になり、肩の力を抜いて選択できる場面が増えていく。

ロンドンの公園で遊ぶ子どもたち
「比べない前提」が育む自己肯定感。ロンドンの公園で、のびのびと遊ぶ子どもたち(写真:筆者撮影)
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