だが、制度が整っていても、実際に使えるかどうかは別問題。日本では、日常の空気や周囲の視線――つまり文化の壁があるという。
罪悪感から解き放たれる母親
「母親だから頑張らなきゃ」「手作りじゃないと申し訳ない」。そんな空気が、日本では女性の挑戦を無意識に縛っている。
2人の小学生の母でもある藤田氏はそう語る。
一方のイギリスでは「比べない前提」が社会に根づいていて、日本で起こりがちな母親同士の“暗黙の競争”が生まれにくい。実際、運動会のお弁当が市販のサンドイッチと果物でも受け入れられ、「家庭ごとの正解でいい」という穏やかな空気が広がっている。
育児は母親だけの責任ではなく、家庭全体で担うもの。だから、在宅勤務の父親が午後3時に子どもの迎えにいく姿も日常的だ。「●●だからこうあるべき」という無言の圧力ない社会は、母親も罪悪感から自由になり、肩の力を抜いて選択できる場面が増えていく。


















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