日・タイハーフの看板娘、吉祥寺ハモニカ横丁の食堂で客を勇気づけた「ポジティブノート」とは?

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タイ名物の3輪自動車トゥクトゥクを輸入する人が日本でも少しずつ出てきているが、そのオーナーを集めた会も好評だった。

「あとでみんなでツーリングに行ったそうです」

今ではすっかりタイが大好きな日本人をつなぐ場所として知られるようになっている。

通訳やMCとしても活躍

最近のなっちゃんは店に加えて通訳としても活動をしている。

「もともと格闘技が大好きでボクシングをやってたこともあるんですが、試合のために来日したタイ人のムエタイ選手の記者会見に同席したり、タイ人選手が勝ったときはリングの上で勝利者インタビューの通訳をしたり」

何人もの日本人選手と対戦してきたムエタイ世界王者スーパーレック・キアトモー9の通訳を担当したこともある。

「まじめな記者会見でみんな真顔なのに、いつもみたいについニコニコしちゃって」

タイフェスティバル2024でMCを務めたときの様子(なっちゃん提供)

東京・代々木公園で毎年5月に開かれ25万人前後もの集客を誇る巨大イベントに成長したタイフェスティバルでは、2024年にムエタイステージのMCを務めた。イオンモール幕張のタイフェスティバルでも2021年からMCを任されている。

華々しい舞台で活躍しながらも、店に帰ってくれば横丁のひとりだ。隣近所の店とはみんな親しいし、日本人とも、最近は飲食業に欠かせなくなっている外国人ともあいさつを交わす

「そこのタンス屋さんのお母さんから『シャッターが壊れて開かないから手伝って』って呼ばれたり、どうしても缶切りが見つからなくて隣の餃子屋さんに借りたり。心温かい場所ですよね」

これからもハモニカ横丁でやっていきたい。なっちゃんはそう言ってとびきりの笑顔を見せてくれた。

室橋 裕和 ライター

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むろはし ひろかず / Hirokazu Murohashi

1974年生まれ。週刊誌記者を経てタイに移住。現地発の日本語情報誌に在籍し、10年に渡りタイ及び周辺国を取材する。帰国後はアジア専門のライター、編集者として活動。「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマとしている。主な著書は『ルポ新大久保』(辰巳出版)、『日本の異国』(晶文社)、『おとなの青春旅行』(講談社現代新書)、『バンコクドリーム Gダイアリー編集部青春記』(イーストプレス)、『海外暮らし最強ナビ・アジア編』(辰巳出版)など。

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