都内で「トルコ人以外のケバブ屋」がじわり増えている。その理由を日本在住31年・中野の人気店を営む”バングラデシュ人店長”に聞いた

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シュワブさん一家
店主のシュワブさん(写真左)。子供たちは日本語と日本文化の中で育ってきた。そのまま日本人として生きていってほしいとシュワブさんは考えている(撮影:筆者)
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日本で暮らす在留外国人は376.9万人となり(2024年末現在)、過去最高を記録した。
 しかし、増え続ける「外国人の隣人」に、誤解や不安を抱いている人もまだいるのが実情だ。そこで本連載では、さまざまな事情で母国を離れ日本で生活する人に話を聞き、それぞれの暮らしの実際に迫る。そして、リアルな彼・彼女らの話から、日本の「グローバル化」の現在地を探っていく。
初回となる今回は、東京都中野区でケバブ店を営むシュワブさんにお話を聞いた。

地域ではよく知られた、常連客の多い店

「この場所からは、まわりがよく見えるね。それで常連のお客さまが通ったら、私必ず声かける。遠くにお客さま見えたらアイコンタクト。それでまたケバブ買ってくれる」

シュワブさんは達者な日本語でまくしたてる。

東京都中野区、新井薬師門前の交差点だ。五差路に突き出すように建つ小さなケバブ屋「FAN 1 FOOD」から、5年ほどこの街を眺め続けてきた。

「ケバブ屋のいいところはね……あ、いらっしゃいませー!」

さっそくお客がやってきた。「元気、最近どう?」なんて声をかけている。手早くケバブサンドをつくって手渡す。

「いまの人、常連。よく来てくれる。でも私、初めて来た人にも話しかける。ゼッタイ話しかける。初めてですか、どこ住んでますか、このへん何年くらいいるんですか……。そしたらみんな、いろんなこと返してくれるね。先週引っ越してきました、前はどこそこ住んでました、あなたどこの国から来ましたか、とかね。コミュニケーションすれば、また来てくれる。今日で終わりじゃない。あ、そうケバブ屋のいいところね」

仕事の手を休め、店のたもとに設えられたテーブルに座って、シュワブさんはまた話しだす。

店舗
店の横のテーブルでケバブを食べつつ、シュワブさんと話していくお客も多い(撮影:筆者)
本連載では、さまざまな事情で母国を離れ日本で生活する方を対象に、取材にご協力いただける方を募集しています。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。
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