さらに2階はリゾート地プーケットをイメージして鮮やかなブルーに染め上げ、3階はタイ北部の古都チェンマイに多い少数民族の布を飾って、貸し切りフロアとして使うことに。
メニューも一新し、飲みに来るお客の多い横丁に合わせ、酒のつまみになるようなスモールサイズでリーズナブルな料理をそろえて、レストランというよりも居酒屋スタイルにした。こうして新生した店と看板娘なっちゃんは、コロナ禍を乗り越えたハモニカ横丁の名物になっていった。
ココナッツ名物「ポジティブノート」とは?
初めて来たお客がとりわけビックリするのはトイレだろう。ここもやっぱりにぎやかに飾り付けられているのだが、なんといっても気になるのは便座の後ろに置かれた「ポジティブノート」だ。トイレのついでにめくってみれば、お客の書き残した言葉がたくさん並ぶ。
“幸せな気分になれました”“人生つらいこと多いけど、おいしいものを食べればハッピー”“これで来週もがんばれる!”“バンコクの屋台を思い出しました”
中にはトイレからまったく出てこないお客もいて、あとから聞いてみたら「ノートぜんぶ読んできました、病んでたけど元気になりました」なんて言われたこともあったそうだ。
「日本人ってポジティブさが足りないと思うんです。だからノートにいいことを書いてもらって、ポジティブになって、それが連鎖していってくれたらと思って」
そう笑いつつも真顔になって、なっちゃんは続ける。
「やっぱり人間ってね、みんな悩むと思う。でも、そこからは自分次第。来てくれた皆さんには、できるだけ明るい方向に気持ちを持っていってほしいなって思うんです」
だからお客を巻き込んだイベントもよく開催している。タイ好きな男女を集めた合コン、通称「ココナッツコン」ではカップルも誕生したし、なっちゃんと同じく日タイハーフの人から「同じ立場の友達がいない」と相談されてハーフパーティーも開いた。



















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