「どんな方だったのか、どんな生活をしていたのか、そんなことを考えながら作業します。部屋に残されたモノを見たら、歳はなんとなく自分たちに近いのかなとか。今回の故人様は年齢を聞いていませんが、30代後半から40代前半くらいかなと思います」
現場スタッフの1人はそう話す。親が亡くなる、あるいは祖父母が亡くなるのとは、また別の心情がある。
「親からすると自分より先に子どもが亡くなってしまうなんて、経験したくないことですし、部屋に入るのが怖いという方もいらっしゃいます。入ってしまうと気持ちの整理がつかなくなってしまうんです」
中には、何年もそのままの状態で時間が止まっている家もある。
「本当に生活していたままの状態で残されていることもあります。子どもを先に失った場合、気持ちの整理のつけ方はやはり難しいと思いますね」
今回のケースでは、娘は長く闘病し、最後は緩和ケア病棟に入院していた。母親もある程度の覚悟はできていたのかもしれない。しかし、すべての現場がそうではない。急に子どもが亡くなった現場も当然ある。
「そんなとき、遺された家族は何からしたらいいかわからないと思うんです。どんな片付けも真剣にやっていますが、さらにじゃないですけど、より依頼者様の気持ちに立って作業しようと常に思っています」
パッカー車に巻き込まれる勉強机に、泣き崩れた両親
「イーブイ」代表の二見氏も、親や祖父母の遺品整理と、子どもの遺品整理とでは、現場の空気がまるで異なると言う。



















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