一時的には勉強するように見えるかもしれません。しかしそれは本当の意味で「勉強の目的を理解して自ら学ぶ」姿勢ではありません。あくまで「親の顔色を見て動く」反射的な行動にすぎないのです。そのため、言わなくなるとやらなくなります。
その結果、親にある勘違いが始まります。「この子は言わないとやらない子なので……」というものです。これは負のループに入っている証拠で、親はそれに気づいていないため、この状態は子育てが終了するまで、そして終了した後も続くこともあります。
大人になっても残る「言われ待ち」の習慣
「勉強しなさい」と言われてきた子は、大人になると「仕事しなさい」と上司に言われなければ動けない人になる傾向があります。自ら考え、目的を理解して行動するのではなく、「誰かに指示されないと行動できない」という受け身の習慣が染みついてしまうのです。
また、やらされ感の中で行動してきた人は「そもそも何のために勉強するのか」「なぜ働くのか」という根本的な問いに向き合う機会を持てずに成長します。そのため、大人になってからも目的を見失い、やりがいや自己実現を感じにくくなります。
教育において最も大切なのは、「なぜそれを学ぶのか」「何のために行動するのか」という目的意識です。
たとえば宿題一つにしても、「なぜやる必要があるのか」を理解している子どもと、ただ「しなさい」と言われて渋々やる子どもとでは、取り組み方も学びの質もまったく違います。
前者は「理解を深めるため」「自分の力を伸ばすため」という主体的な理由があるため、工夫や改善の余地が生まれます。後者は「怒られないため」にやるので、形だけこなしても内容が身につきにくいのです。



















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